...ながらく海底大陸に分捕(ぶんど)られていた巨船クイーン・メリー号はいまや奇妙なる帰還の途にのぼることとはなった...
海野十三 「海底大陸」
...一歩力を入れてのぼると...
海野十三 「西湖の屍人」
...よじのぼることもできません...
江戸川乱歩 「かいじん二十めんそう」
...古い香木のもえる煙のやうにたちのぼるこの紛乱(ふんらん)した人間の隠遁性と何物をも恐れない暴逆な復讐心とが...
大手拓次 「藍色の蟇」
...内国博覧会を開いてももっとも評判にのぼるものは八千円の造花とか...
丘浅次郎 「教育と迷信」
...雲のたちのぼるさまを言う...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...土堤にのぼる...
太宰治 「令嬢アユ」
...――長崎の句として・ならんであるくに石だゝみすべるほどの雨(途上)(だん/″\すべるやうな危険を持つてきた!)□・冬曇の大釜の罅(ヒビ)(崇福寺)□・寺から寺へ蔦かづら(寺町)□・逢うてチヤンポン食べきれない(十返花君に)□・すつかり剥げて布袋は笑ひつゞけてゐる(福済寺)□・冬雨の石階をのぼるサンタマリヤ(大浦天主堂)二月五日晴...
種田山頭火 「行乞記」
...立ちのぼる紅(くれない)の炎に...
中里介山 「大菩薩峠」
...世間の口にのぼる前に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...立ちのぼる線香の煙...
火野葦平 「花と龍」
...文学の世界には極めて多数にのぼるであらうと私は信ずる...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...思いがけない包の中などから立ちのぼるでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...やがてさっとその顔へ血ののぼるのが見えた...
山本周五郎 「新潮記」
...のぼるとそこは広前の暗(やみ)...
吉川英治 「江戸三国志」
...東山(ひがしやま)から陽(ひ)がのぼるを出立(しゅったつ)の時刻として...
吉川英治 「神州天馬侠」
...俗に、琵琶橋(びわばし)という江戸川上水の石橋をわたって、だらだら坂の中腹に見える大谷石(おおやいし)の苔崩(こけくず)れした石段を七、八段のぼると、その上だ...
吉川英治 「松のや露八」
...と思う瞬間に突然その建物が低くなってパッと立ちのぼる埃(ほこり)の中に見えなくなった...
和辻哲郎 「地異印象記」
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