...三つか四つ位の子供を縞目もわからないやうな汚いねんねこで背負つた女房が一人隅つこにうづくまつてゐる外には誰もゐなかつた...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...石橋の姉さんが赤ン坊を背負ふねんねこを借りて...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...ねんねこを着て居た...
太宰治 「思ひ出」
...子供背負ってねんねこ着ているおばさん...
太宰治 「女生徒」
...ねんねこ背負(せおい)して...
徳永直 「戦争雑記」
...ねんねこようをきかされる...
新美南吉 「乳母車」
...村の母親達はそれをねんねこ歌のやうにして小さな子供たちに歌つてきかせてゐるのでした...
野口雨情 「女王」
...子供をおんぶしてねんねこを着て――」「おッ...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...ねんねこ半纏(ばんてん)を着て耄碌頭巾(もうろくずきん)を冠り...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夜になるとねんねこを着た襟を...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...さっそく二人会をお願いしましょう」大漁祝いに船頭の着る極彩色のねんねこ半纏のようなものを着て...
正岡容 「寄席」
...」兎も一緒(いっしょ)に念猫(ねんねこ)をとなえはじめました...
宮沢賢治 「蜘蛛となめくじと狸」
...おそらくねんねこの中へ顔を埋められ圧しつけられたためだろう...
宮本百合子 「石を投ぐるもの」
...そして細帯一つでねんねこ半纏(はんてん)を羽織って...
森鴎外 「雁」
...ねんねこばんてんで赤児をおぶって...
山本周五郎 「年の瀬の音」
...ひとりでねんねこにくるまれて泣いていたの...
山本周五郎 「柳橋物語」
...ねんねこの掛襟(かけえり)を掛けながら泣いて居たのも鏡子だつたのである...
與謝野晶子 「帰つてから」
...ねんねこで孫を負んぶした佐藤八三さんという二人の古老が現われ...
吉川英治 「随筆 新平家」
便利!手書き漢字入力検索