...ねんねこを濡(ぬ)らしてきせて...
泉鏡太郎 「十六夜」
...『まあまあ可愛想に! お父さんの顔が見えたんですか?』入口に近く立つてゐた内儀らしい年増の女がふみぬいたねんねこに手をかけながら云つた...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...石橋の姉さんが赤ン坊を背負ふねんねこを借りて...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...也ちやんはその上にねんねこに包まれたまま眠りつづけてゐた...
小穴隆一 「二つの繪」
...見れば妻の顏のうしろにねんねこの蔭にしつかりと窮屈な位包れて...
千家元麿 「自分は見た」
...坊やにねんねこ歌を歌ってきかせたのよ...
竹久夢二 「少年・春」
...ねんねこ背負(せおい)して...
徳永直 「戦争雑記」
...おかあさんがねんねこ歌(うた)を...
フョードル・ドストエフスキー 神西清訳 「キリストのヨルカに召された少年」
...ねんねこにくるまった順一を抱いて...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...女房はねんねこ半纏の紐(ひも)をといて赤児を抱き下し...
永井荷風 「深川の唄」
...ねんねこようをきかされる...
新美南吉 「乳母車」
...汚ないねんねこの下に...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...ねんねこ半纏(ばんてん)を着て耄碌頭巾(もうろくずきん)を冠り...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そのねんねこにふっさりと包まれて父の膝に狸寝(たぬきね)をしていた...
長谷川時雨 「牢屋の原」
......
八木重吉 「秋の瞳」
...ねんねこばんてんで赤児をおぶって...
山本周五郎 「年の瀬の音」
...さっきから赤子の泣くこえが耳についていた、ひとところで、少しも動かずに、たまぎるような声で泣いている、あんまりひとところで泣き続けるので、堪らなくなって覗いてみた、石の蔭には大きな包が二つあり、その上に誕生には間のありそうな赤子が、ねんねこにくるまって泣いていた、まわりには誰もいない、ねんねこも包も、ところどころ焦げて煙をだしている、おせんは衝動的に赤子を抱きあげ、刺子半纏のふところへ入れて元の場所へ戻った...
山本周五郎 「柳橋物語」
...ねんねこ唄をうたってやる赤ん坊がほしい――と思いつめる彼女の胸のなかは...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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