...その背中では汚いねんねこは下の方にふみぬいて上半身を反らせた子供が...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...背中の子は猶も父親を呼びながら反りかへつて暴れるのでとても工合よくねんねこを直して着せるわけにはゆかなかつた...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...石橋の姉さんが赤ン坊を背負ふねんねこを借りて...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...也ちやんはその上にねんねこに包まれたまま眠りつづけてゐた...
小穴隆一 「二つの繪」
...ねんねこを着ていた...
太宰治 「苦悩の年鑑」
...ねんねこ背負(せおい)して...
徳永直 「戦争雑記」
...私は堯を毛布にくるみなおねんねこにくるんで...
豊島与志雄 「生と死との記録」
...ねんねこ半纏(ばんてん)で赤児(あかご)を負(おぶ)った四十ばかりの醜い女房と...
永井荷風 「深川の唄」
...ねんねこようをきかされる...
新美南吉 「乳母車」
...村の母親達はそれをねんねこ歌のやうにして小さな子供たちに歌つてきかせてゐるのでした...
野口雨情 「女王」
...汚ないねんねこの下に...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...家にいる時は冬は糸織のねんねこを着...
長谷川時雨 「神田附木店」
...ねんねころ市おやすみなんしょ朝もとうからおきなされよいの浜風ア身にしみますで夜サは早よからおやすみよ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...そして細帯一つでねんねこ半纏(はんてん)を羽織って...
森鴎外 「雁」
...ねんねこばんてんで赤児をおぶって...
山本周五郎 「年の瀬の音」
...さっきから赤子の泣くこえが耳についていた、ひとところで、少しも動かずに、たまぎるような声で泣いている、あんまりひとところで泣き続けるので、堪らなくなって覗いてみた、石の蔭には大きな包が二つあり、その上に誕生には間のありそうな赤子が、ねんねこにくるまって泣いていた、まわりには誰もいない、ねんねこも包も、ところどころ焦げて煙をだしている、おせんは衝動的に赤子を抱きあげ、刺子半纏のふところへ入れて元の場所へ戻った...
山本周五郎 「柳橋物語」
...ねんねこで孫を負んぶした佐藤八三さんという二人の古老が現われ...
吉川英治 「随筆 新平家」
...ねんねこ唄をうたってやる赤ん坊がほしい――と思いつめる彼女の胸のなかは...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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