...ねんねこを濡(ぬ)らしてきせて...
泉鏡太郎 「十六夜」
...その背中では汚いねんねこは下の方にふみぬいて上半身を反らせた子供が...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...『まあまあ可愛想に! お父さんの顔が見えたんですか?』入口に近く立つてゐた内儀らしい年増の女がふみぬいたねんねこに手をかけながら云つた...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...ねんねこ絆纏をまだ脱ぎもせず...
犬田卯 「荒蕪地」
...照ちやんは蒲團でくるんだ赤ン坊を更にねんねこで負つて表の井戸の水も酌むし板間の雜巾がけもした...
高濱虚子 「續俳諧師」
...ねんねこを着て居た...
太宰治 「思ひ出」
...私は堯を毛布にくるみなおねんねこにくるんで...
豊島与志雄 「生と死との記録」
...ねんねこようをきかされる...
新美南吉 「乳母車」
...庫裡の物置から古いねんねこを盗み出し...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...汚ないねんねこの下に...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...側には脱ぎ捨てたばかりの汚いねんねこと浅葱の手拭と...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...そのねんねこにふっさりと包まれて父の膝に狸寝(たぬきね)をしていた...
長谷川時雨 「牢屋の原」
...夜になるとねんねこを着た襟を...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...おそらくねんねこの中へ顔を埋められ圧しつけられたためだろう...
宮本百合子 「石を投ぐるもの」
...ねんねこばんてんで赤児をおぶって...
山本周五郎 「年の瀬の音」
...さっきから赤子の泣くこえが耳についていた、ひとところで、少しも動かずに、たまぎるような声で泣いている、あんまりひとところで泣き続けるので、堪らなくなって覗いてみた、石の蔭には大きな包が二つあり、その上に誕生には間のありそうな赤子が、ねんねこにくるまって泣いていた、まわりには誰もいない、ねんねこも包も、ところどころ焦げて煙をだしている、おせんは衝動的に赤子を抱きあげ、刺子半纏のふところへ入れて元の場所へ戻った...
山本周五郎 「柳橋物語」
...ひとりでねんねこにくるまれて泣いていたの...
山本周五郎 「柳橋物語」
...ねんねこにくるんだ乳呑み児の方は...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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