...石橋の姉さんが赤ン坊を背負ふねんねこを借りて...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...途(みち)にてはねんねがのみにくからんと一言(ひとこと)の詞(ことば)にも孫(まご)を愛(あい)する情(こゝろ)ぞしられける...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...「ねんねしなされ...
鈴木三重吉 「千鳥」
...みんなでおとなしくおねんねをするのよ...
鈴木三重吉 「星の女」
...照ちやんは蒲團でくるんだ赤ン坊を更にねんねこで負つて表の井戸の水も酌むし板間の雜巾がけもした...
高濱虚子 「續俳諧師」
...揺籃(えうらん)の記臆(きおく)(ねんねしなされ...
竹久夢二 「桜さく島」
...だからここへねんねして待ってて頂戴(ちょうだい)な...
竹久夢二 「博多人形」
...年々(ねんねん)酸漿(ほおずき)が紅くなる頃になると...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ねんねこ半纏(ばんてん)で赤児(あかご)を負(おぶ)った四十ばかりの醜い女房と...
永井荷風 「深川の唄」
...(一)吾々は生きたいと云う念々(ねんねん)に支配せられております...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...娘はあの通り嬰児(ねんね)だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ねんねんころころ ねんころりころころ轉げて夢の國夢の國には花が咲く――それは細々とした良い聲でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...自分のそばでよくねんねしている鶏のひよこを食べようかと思いました...
林芙美子 「お父さん」
...「早くねんねなさいよ‥‥」ふじ子は...
林芙美子 「濡れた葦」
...もう三つねんねしたら...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...罪のない子は横町の三五郎なり、思ふさまに擲(たた)かれて蹴(け)られてその二三日は立居も苦しく、夕ぐれ毎(ごと)に父親(てておや)が空車(からぐるま)を五十軒の茶屋が軒まで運ぶにさへ、三公はどうかしたか、ひどく弱つているやうだなと見知りの台屋に咎められしほど成しが、父親はお辞義の鉄(てつ)とて目上の人に頭(つむり)をあげた事なく廓内(なか)の旦那は言はずともの事、大屋様地主様いづれの御無理も御尤(ごもつとも)と受ける質(たち)なれば、長吉と喧嘩してこれこれの乱暴に逢(あ)ひましたと訴へればとて、それはどうも仕方が無い大屋さんの息子さんでは無いか、此方(こつち)に理が有らうが先方(さき)が悪るからうが喧嘩の相手に成るといふ事は無い、謝罪(わび)て来い謝罪て来い途方も無い奴だと我子を叱りつけて、長吉がもとへあやまりに遣られる事必定(ひつぢやう)なれば、三五郎は口惜(くや)しさを噛(か)みつぶして七日十日と程をふれば、痛みの場処の愈(なほ)ると共にそのうらめしさも何時(いつ)しか忘れて、頭(かしら)の家の赤ん坊が守りをして二銭が駄賃をうれしがり、ねんねんよ、おころりよ、と背負(しよ)ひあるくさま、年はと問へば生意気ざかりの十六にも成りながらその大躰(づうたい)を耻かしげにもなく、表町へものこのこと出かけるに、何時も美登利と正太が嬲(なぶ)りものに成つて、お前は性根(しやうね)を何処へ置いて来たとからかはれながらも遊びの中間は外れざりき...
樋口一葉 「たけくらべ」
...そうやっておとなしくねんねするのよ」添寝をして片乳(かたぢ)を口に含ませ片乳を握らせていると...
山本周五郎 「柳橋物語」
...知らないの……デモネ……ずっと前から毎晩うちにいらっしてネ……お母様と一緒にお座敷でおねんねなさるのよ...
夢野久作 「人の顔」
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