...なまぬるい水いっぱいくれませんでした...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「雪の女王」
...さびしいようなぬるいような笑いを夫婦が交換したものだ...
伊藤左千夫 「去年」
...土蔵に幽閉する様な手ぬるい手段をとったのではないか...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...少し手ぬるいじゃござんせんか...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...貝が舌を出すようにふとんから脛(すね)を出して寝た涼しいような暑いような機嫌がいいようなくたびれたような生ぬるいような濁った塩水のようななまぐさいような夕方はまつゆにされるはまぐりのようなこうした詩を...
高見順 「いやな感じ」
...なんて形容はなまぬるい...
太宰治 「恥」
...あれが手ぬるいから...
中里介山 「大菩薩峠」
...比較的熱い湯とぬるい湯とがいろいろに入り乱れているのである...
中谷宇吉郎 「「茶碗の湯」のことなど」
...お孃さん!寄生蟹のうた潮みづのつめたくながれて貝の齒はいたみに齲ばみ酢のやうに溶けてしまつたああここにはもはや友だちもない 戀もない渚にぬれて亡靈のやうな草を見てゐるその草の根はけむりのなかに白くかすんで春夜のなまぬるい戀びとの吐息のやうです...
萩原朔太郎 「青猫」
...たいさんのやり方も手ぬるいと思った...
林芙美子 「新版 放浪記」
...なまぬるい風が、ふはふは蚊帳の裾を波立たしてゐる...
林芙美子 「濡れた葦」
...子等は柄杓に一杯又は二杯の生ぬるい水を...
葉山嘉樹 「井戸の底に埃の溜つた話」
...生ぬるい風がただよう河岸を...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ぬるいことが嫌いなのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...何故こんな無理心中をするに手ぬるい手段をとったのか……ああ...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
...沸し湯のぬるいのに入つてゐると...
若山牧水 「木枯紀行」
...私たちが生ぬるい心で少しも早く何事かを仕上げようなどと考えるのは...
和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
...――Kは生ぬるいメフィストを連想させた...
和辻哲郎 「転向」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??