...なまぬるい水一ぱい...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「雪の女王」
...水は生ぬるいが、その日の晩方には、もう、手を入れるとちぎれそうな雪どけの水が流れる、大沢の小舎に着いているのだ...
石川欣一 「可愛い山」
...なまぬるい葉のにおいと陰欝な空気とのうちに...
岩野泡鳴 「耽溺」
...生ぬるい液体が食道をこころよく流れ落ちる...
梅崎春生 「風宴」
...その様ななまぬるい刺戟(しげき)が...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...なんて形容はなまぬるい...
太宰治 「恥」
...湯が熱いかぬるいかが...
寺田寅彦 「茶わんの湯」
...ぬるい澁茶に喉を潤(うる)ほします...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ある生ぬるい晩を歩きにでると世の中がすつかり変化(かは)つてしまつたやうに感じる...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...ぬるい湯を一くち唇にふくむと...
林芙美子 「旅人」
...なまぬるい風が、ふはふは蚊帳の裾を波立たしてゐる...
林芙美子 「濡れた葦」
...子等は柄杓に一杯又は二杯の生ぬるい水を...
葉山嘉樹 「井戸の底に埃の溜つた話」
...役にも立たぬ反省となまぬるい人道主義のなかで足ぶみをしているうちに...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...ポタアジュ(ぬるいのでいつもクサる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ぬるい湯なので気持悪し...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...十三の六なまぬるい夜風に吹かれながら...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...わが君、この時に起たれて、天機に応じ、虚をついて、一せいに都へ攻め入り給わば、必勝は火をみるよりも明らかであり、上(かみ)は天子を扶け、下は万民の大幸と、謳歌されるでありましょう」「……ほう」と、袁紹の返辞は、依然、生ぬるい...
吉川英治 「三国志」
...ぬるい風呂に浸っている頃から耳についていた風は次第に烈しく雨戸を揺るがし何という事なく今夜の酒は飲むだけ次第に気を沈ませてゆく...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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