...三隻それも一隻はぬけぬけと脱税までして...
大阪圭吉 「動かぬ鯨群」
...「おう! まさしく母上……にっくき曲者め! よくも母上をかかる無残至極な目にあわせおって! ぬけぬけと母上にばけおったな」と...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...図々しくもぬけぬけと舞い上ったりしてもいいものだろうか...
谷譲次 「踊る地平線」
...じぶんのほうはぬけぬけと娘を引きだそうという阿呆は阿呆なりによくかんがえたもンだ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...それどころか、再び諸君と落ち合うようなことがあると、またしても彼はさも親しげに振舞って、ぬけぬけと、『君はちっとも僕のところへやって来ないで、ひどいじゃないか...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...ぬけぬけと切りだしたものだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...さきほど確かに見えていた二三の男の不満な気持はぬけぬけとしたこの女の喚きに却(かえ)って鎮(しず)まっていたのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...同じくぬけぬけしい粗忽(そこつ)ものじゃわ...
本庄陸男 「石狩川」
...ぬけぬけと並べる盗賊の...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...その前に手をついて、ぬけぬけと、一身一命、御自由でござります――などと、並べ立てている奴の、奴根性(どこんじょう)は、ちょいと、この世で、二人とは見つかるめえ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...とりみだしていやあがる――おれほどの男の前で、ぬけぬけと、心の秘密をのろけるまで、魂をぶち込んでいやあがる――雪之丞が、震(ふる)え上るのも無理はねえ――「姐御、お前の、そのやさしい苦労というのが、どんなものか知れねえが、ぶちまけて言えば、おれの知っているある他所(よそ)のものが、大きな望みを持って、この江戸に足をふんごみ、いのちがけで大願を成就させようとあせっているのさ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ぬけぬけとわしに顔を見せるとは! しかも...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ぬけぬけと囈言(たわごと)を続けた...
室生犀星 「野に臥す者」
...はっとすることをぬけぬけと仰有る...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...ぬけぬけと口をふいたそのいい訳...
吉川英治 「江戸三国志」
...ぬけぬけと、そのお惚気(のろけ)、帰すことではございませぬぞえ」君立ち川の紅燈(こうとう)や人影は、まだ宵のような柳がくれのそよめきだった...
吉川英治 「私本太平記」
...よくもぬけぬけと...
吉川英治 「私本太平記」
...「市助」「はっ」「孫七(まごしち)(秀次)めが、ぬけぬけと、そんなことを、そちに取次がしたのか」「御意(ぎょい)のほども、いかがやと存じましたが」「頼(たの)うだ孫七郎は十七歳、あほうにはちがいないが、若いともいえる...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??