...自分等もぬくい――北海道の雪はしめり氣がないから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ぬくいので籔蚊が来襲してさん/″\だつた...
種田山頭火 「一草庵日記」
...熱いものをすゝる・食べるもの食べつくしてひとりとりわけてうつくしい葉ぼたんの日ざし・ぬくい夜の赤児へ話しかけてゐる一月七日曇...
種田山頭火 「行乞記」
...病めば長い長い旅・こゝに住みたい水をのんで去る(添作)・あすもあたゝかう歩かせる星が出てゐる・ふんどしは洗へるぬくいせゝらぎがあり(木賃宿)春夜のふとんから大きな足だ□・枯草の風景に身を投げ入れる(改作)四月六日晴れたり曇つたり...
種田山頭火 「行乞記」
...往生安楽国!・ほつかりと宵月のある枯枝で・風がでて葉が鳴るゆふべの祈り・春風の豚でうめく・日向の椿がぽとりと水へ・春がきたどろ/\の蓮を掘つてゐる・草の芽乞食が荷をおろした三月一日くもつてはゐるがぬくい...
種田山頭火 「其中日記」
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種田山頭火 「其中日記」
...・生きてゐるもののあはれがぬかるみのなか・いつも馬がつないである柳萠えはじめた・猫柳どうにかかうにか暮らせるけれどぬくい雨でうつてもついても歩かない牛の仔で・焼芋やいて暮らせて春めいた・監獄の塀たか/″\と春の雨ふる・病院の午後は紅梅の花さかり・ずんぶりと湯のあつくてあふれる(湯田温泉)・早春...
種田山頭火 「其中日記」
...いやにぬくいことである...
種田山頭火 「其中日記」
...二三日ぬくいので...
種田山頭火 「其中日記」
...どうして今年はこんなにぬくいのだらう...
種田山頭火 「其中日記」
...ぬくいぬくいなあ...
壺井栄 「大根の葉」
...ぬくいぬくい」そういって腰(こし)のあたりをたたいてみせた...
壺井栄 「二十四の瞳」
...「なんだ、ちっともあったかくないね」「はっは、そうかい」「ぼくたちの先生のポケットは、もっとぬくいよ...
新美南吉 「うた時計」
...ひなたよ、ひなたよ、みんなぬくいよ...
新美南吉 「ひなた」
...ぬくい奴がむつの手に二つさわりました...
林芙美子 「クララ」
...だらだらと生ぬくいものが流れ落ちた...
火野葦平 「花と龍」
...まだなまぬくい屍体の手触り...
北條民雄 「柊の垣のうちから」
...『そんなら十七円五十銭……ぬくい中(うち)……』『ウーム……』と私は腕を組んで考えました...
夢野久作 「近世快人伝」
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