...あるだけの酒飲んで別れたが(星城子君に)眼が見えない風の道を辿る・十一月二十二日のぬかるみをふむ(歩々到着)・夜ふけの甘い物をいたゞく(四有三居)傷づいた手に陽をあてる晴れきつて真昼の憂欝はじめての鰒のうまさの今日(中津)ボタ山ならんでゐる陽がぬくい・ひとすぢに水ながれてゐる・重いドアあけて誰もゐない枯野...
種田山頭火 「行乞記」
...酔ひどれも踊りつかれてぬくい雨ふるさと遠い雨の音がするけふの道はよかつた...
種田山頭火 「行乞記」
...洗濯したり、整理したり、裁縫したり、身のまはりをきれいにする、男やもめに蛆がわく、虱がぬくいので、のそ/\這ひだして困りますね!夜は三杯機嫌で雲心寺の和尚を攻撃した、酒、酒、そして酒、酒よりも和尚はよかつた、席上ルンペン画家の話も忘れない、昆布一罎(マヽ)いたゞいた...
種田山頭火 「行乞記」
...ぽか/\とぬくい日である...
種田山頭火 「其中日記」
...往生安楽国!・ほつかりと宵月のある枯枝で・風がでて葉が鳴るゆふべの祈り・春風の豚でうめく・日向の椿がぽとりと水へ・春がきたどろ/\の蓮を掘つてゐる・草の芽乞食が荷をおろした三月一日くもつてはゐるがぬくい...
種田山頭火 「其中日記」
...どこからきたのか鼠の声・わらやねふけてぬくい雨のしづくするあすはお節句の蓬つむと乙女が来た追加二句・お彼岸まゐりの...
種田山頭火 「其中日記」
...・生きてゐるもののあはれがぬかるみのなか・いつも馬がつないである柳萠えはじめた・猫柳どうにかかうにか暮らせるけれどぬくい雨でうつてもついても歩かない牛の仔で・焼芋やいて暮らせて春めいた・監獄の塀たか/″\と春の雨ふる・病院の午後は紅梅の花さかり・ずんぶりと湯のあつくてあふれる(湯田温泉)・早春...
種田山頭火 「其中日記」
...ぬくい/\うれしい/\だ...
種田山頭火 「其中日記」
...ぬくい雨となつた(白船老に)あれもこれもおもひでの雨がふりかゝるバスで通る二月十一日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...午後はぬくい雨となつた...
種田山頭火 「其中日記」
...今年の冬は何といふぬくいことだらう...
種田山頭火 「其中日記」
...明け方、雷鳴そして雨声、春雷でもあるまい、冬雷か、ぬくい、ぬくい、ぬくすぎる...
種田山頭火 「其中日記」
...そしてぬくい雨が降りだした...
種田山頭火 「其中日記」
...どうして今年はこんなにぬくいのだらう...
種田山頭火 「其中日記」
...水仙の芽かよあれこれ食べるものはあつて風の一日水音しんじつおちつきました茶の木も庵らしくひらいてはちり誰か来さうな空が曇つてゐる枇杷の花落葉ふる奥ふかく御仏を観る雪空の最後の一つをもぐ其中雪ふる一人として火を焚くぬくい日の...
種田山頭火 「草木塔」
...「なんだ、ちっともあったかくないね」「はっは、そうかい」「ぼくたちの先生のポケットは、もっとぬくいよ...
新美南吉 「うた時計」
...だらだらと生ぬくいものが流れ落ちた...
火野葦平 「花と龍」
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藪田忠夫 「休日に」
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