...なんにせよ、どうも豪勢なものである...
海野十三 「蠅男」
...この異常な犯罪の動機がなんにせよ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...これは一体どういうわけなのだろう、なんにせよ、こんな小さい子供が、こんな真面目くさった顔つきになるのは、普通でもないしよいことでもないと、パトラッシュは口にこそ出さね、気をくばって、ネルロの行くところは野と言わず、市場の人混みと言わず、片時もそばをはなれないことにきめたのでした...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...「なんにせよ、二つの獲物(えもの)を取って押えたのは俺(わし)が棒の手柄」商人体の変人は、座敷の隅の棒を横目で見ながら言い出すと、壮士は、「あれは何だ、不思議な棒だな」「このごろ大阪の相撲どもが、毛唐(けとう)の足払いと名づけて拵(こさ)えよる、それを一本貰うて来た」「ドレ、見てやる」壮士は、立ってその棒をさげて来た――これは力士小野川が水戸烈公の差図(さしず)により、次第によらば攘夷(じょうい)のさきがけのためとて、弟子どもに持たせた樫の角棒...
中里介山 「大菩薩峠」
...「お前の家へ昨夜、子供が産まれはせぬか」ある時、或る家の前へ立ってこう言うた時、その家の主人が眼を円くして、「大先生、まあ、どうして御存じでございます、まだどこへも沙汰をしませんに」「そうか、それは男の子であろうな」「左様でございます、どうして、それがおわかりになりました」「そんな夢を見た、なんにせよ、めでたいことだ」といって立去ってしまったことがある...
中里介山 「大菩薩峠」
...ともかく、それは心あってすることか、或いはまた旅路のいたずら心から、わざと拙者の名を用いるものか、これへ同道して突き合わせて御覧あればすぐにわかること」「いかにも、貴殿がまことの和田静馬殿であることは、恵林寺の先触(さきぶれ)でも毛頭(もうとう)疑いのないところ、若松屋の若者こそ、甚だ怪しい、篤(とく)と吟味を致さねばならぬ」「引捕えてこれへおつれあらば、拙者から懲(こ)らして済むものならば懲らしめ、意見して追い放すべき者ならば、意見を加えてみるも苦しうござらぬ」「しからばその者を引捕えて、これへ連れて参ろう」役人や手先が立ち上った時に、兵馬はふと、何事か胸に浮んだらしく、「お待ち下さい、なんにせよ、承れば年若の者、無下に恥辱を与えるも不憫(ふびん)ゆえ、拙者これより同道致し、穏かにその者に会うてみたい」「それは御随意」兵馬は身仕度をして、わが変名の変名を名乗る若者の、何者であるかを見定めようとしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...なんにせよ、天照大神、神農帝以来、人間が選りに選り出して来た今日の五穀蔬菜というものは、人間の養いには最上無類のものさ...
中里介山 「大菩薩峠」
...なんにせよ高氏のまずさでおざった...
吉川英治 「私本太平記」
...なんにせよ、深夜の珍客どの、お話もござりますゆえ、まずそれへおすわりください」いう声がら、容貌(ようぼう)も、それは、まぎれもあらぬ鏃鍛冶(やじりかじ)の鼻かけ卜斎(ぼくさい)...
吉川英治 「神州天馬侠」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??