...なまめかしいにおいがその動作につれてひそやかに部屋(へや)の中に動いた...
有島武郎 「或る女」
...最後に特別になまめかしい鹿(か)の子(こ)緋(ひ)ぢりめんの長襦袢を上にのせ...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...荒々しいことや凄じいことより知らぬ者が蘭麝(らんじゃ)のかおりなまめかしい御前へ出ましては...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...なまめかしい迄に美しい顔を視詰(みつ)めていると...
谷崎潤一郎 「細雪」
...急に耳元でなまめかしい声を立て...
谷崎潤一郎 「幇間」
...何ともいえんなまめかしい風情(ふぜい)あって...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...なまめかしい人肌にしっかりとしがみついていたほとぼりがまだ冷めていない代物(しろもの)...
中里介山 「大菩薩峠」
...扱帯の上部はなまめかしい衣裳(いしょう)の間にかくれて先は見えない...
夏目漱石 「草枕」
...戀の圖になりますね」「香もなまめかしいのが良いな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――なまめかしいという感じを与える婦人ではなかった...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...なんともなまめかしいのである...
林芙美子 「浮雲」
...君去つてまさに茫と云ひたいなまめかしい雲の姿である...
林芙美子 「旅人」
...ラリは昔の仲間の近くにいる方を好み、コベントリ・ホールの宿に落ち着き、そこで恋人相手に昔の手柄(てがら)話を話し、一方のイシドレは相変わらずキラキラ輝き、なまめかしい...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...壁ぎわへ身を寄せてなまめかしい唄声の主をソッと覗いた...
正岡容 「寄席」
...なまめかしいもの...
宮沢賢治 「インドラの網」
...きれいに分かれた筋を作っているのもかえってなまめかしい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...庭の芒を眺めている千鶴子のなまめかしい矢絣の紫が...
横光利一 「旅愁」
...涼霄(りょうしょう)の花も恥ずらん色なまめかしい粧(よそお)いだった...
吉川英治 「新・水滸伝」
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