...五つ衣(ぎぬ)のなまめかしい青女房...
芥川龍之介 「地獄変」
...そして黙ったまま葉子の髪や着物から花(か)べんのようにこぼれ落ちるなまめかしい香(かお)りを夢心地(ごこち)でかいでいるようだったが...
有島武郎 「或る女」
...なまめかしい蒲団が敷いてある...
高見順 「いやな感じ」
...それはなまめかしい細い声であった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「嬰寧」
...そのなまめかしいかおりの中に埋まっているのであろうと...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...急に耳元でなまめかしい声を立て...
谷崎潤一郎 「幇間」
...そのおからだのなまめかしいぐあいがお若いころのおくがたにあまりにも似ていらっしゃいますので...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...花ざくろを活ける、美しい年増女か!石を拾ふついでに、白粉罎を拾うた、クラブ美の素といふレツテルが貼つてあつた、洗つても洗つてもふくいくとしてにほふ、なまめかしい、なやましいにほひだ、しかし酒の香ほどは好きでない、むろん嫌いではない、しばらくならば(これは印肉入にする)...
種田山頭火 「行乞記」
...またおりおり若やいだなまめかしいような話の出る事もあった...
寺田寅彦 「花物語」
...なまめかしい女の声がしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...一つには何処へも出たことのない女の身にはなまめかしい姿の瞽女に三味線を弾かせて夜深までも唄わせることがせめてもの鬱晴しであったからである...
長塚節 「太十と其犬」
...なんともなまめかしいのである...
林芙美子 「浮雲」
...君去つてまさに茫と云ひたいなまめかしい雲の姿である...
林芙美子 「旅人」
...極めてなまめかしい種類の遊戯であつたのである...
原勝郎 「鞦韆考」
...壁ぎわへ身を寄せてなまめかしい唄声の主をソッと覗いた...
正岡容 「寄席」
...なまめかしいそぶりは...
山本周五郎 「山彦乙女」
...庭の芒を眺めている千鶴子のなまめかしい矢絣の紫が...
横光利一 「旅愁」
...むしろ日頃の艶姿よりはなまめかしい...
吉川英治 「新・水滸伝」
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