...生中(なまなか)天分の乏しいのを知りつつも文学三昧に沈湎(ちんめん)するは文学を冒涜する罪悪であると思詰め...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...二葉亭は生中(なまなか)文名が高く在留日本人間にも聞えていたので...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...なまなか余計な口を出して...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...なまなかの情は、かえって人を罪におとす...
太宰治 「新釈諸国噺」
...なまなか逃げたり走ったりするのはよくないと思ったから...
近松秋江 「雪の日」
...なまなか出さない方が好いだろう...
戸坂潤 「社会時評」
...なまなか昔ゐた所をも一度なんと思つて下車することは多分愚劣であらうが...
中原中也 「夏」
...「それは……」と兎も角此の世の常識に関する限りの世界ではなまなか誰でも一と通りの理由は直ぐに見付けて呉れるんだけれど...
中原中也 「私の事」
...生中(なまなか)煖房(だんぼう)の設備などがないと身体の方が自然の方に適応して行くらしいのであるが...
中谷宇吉郎 「雪の十勝」
...生中(なまなか)夏になって雪が溶けてしまうので問題は面倒になるのであるが...
中谷宇吉郎 「雪の話」
...生中(なまなか)こがれて附纒(つきまと)ふたとて...
樋口一葉 「うらむらさき」
...とても憎くまるゝほどならば生中(なまなか)人に媚びて心にもなき追縱に...
一葉 「暗夜」
...どうでも死(し)なれぬ世(よ)に生中(なまなか)目(め)を明(あ)きて過(す)ぎんとすれば...
一葉女史 「ゆく雲」
...こういう所ではなまなか...
正岡容 「寄席」
...私はなまなか旅の空へ飛び出した為めに父や継母に屈従する以上に他人に屈従し迫害され...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...なまなか後妻と妥協して...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...生半(なまなか)な喜多流を残すよりはタタキ潰した方が天意に叶うと思っていたらしい精進ぶりであった...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...バケツの中の世界は生中(なまなか)な暖気で政府を失つてゐる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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