...子宮底穿孔(せんこう)なまじっか医書を読みかじった葉子はすぐそっちに気を回した...
有島武郎 「或る女」
...なまじっか、おとななんかより、子どものほうがすばしっこいし、相手がゆだんするから、きっとうまくいくと思いますよ...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...なまじっかなところではとてもあぶないので...
鈴木三重吉 「大震火災記」
...なまじっか漢字が読めるのでいけない...
高見順 「いやな感じ」
...なまじっか習った能筆風な無性格の書や...
高村光太郎 「書について」
...この世の中というものは、何時(いつ)思いも掛けぬ災難が降りかかってくるかわからぬ、一寸先は闇の世界だから、なまじっか、野心なぞ起さずに、もう東京へもどこへも行かないで、どこか北海道の涯(はて)へでも行って君太郎と一緒に世帯を持って生涯を送ってしまおうかと、胸の迫るような感慨に打たれたのであった...
橘外男 「生不動」
...なまじっかマゴマゴと足手まといの女子どもなどは...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...なまじっか隠しだてをしないが好いと思った...
田中貢太郎 「岐阜提燈」
...何か自分でなまじっかにやろうとするもんだから...
徳田秋声 「挿話」
...なまじっか連れがあって...
豊島与志雄 「私の信条」
...なまじっか唐松の林に蔽われていたばかりに...
中谷宇吉郎 「天地創造の話」
...なまじっか、俺が余計な事を言ったから、お役人方も吉五郎を許す気になったんだ、手柄はやはり金太兄哥のだよ」平次はガラッ八を眼で誘って、滑るように外に出ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「サト子に、どういうご用なんです?」「サト子さんは、久しく西荻窪の植木屋の離屋に、お帰りにならないということですが、急いでお目にかからなくてはならない用件があるので」由良は、そら出たといった顔で、芳夫に味な目くばせをしてから、「なんでしたら、あたしがお取次ぎいたしましょう」「アドレスを、おしえていただくだけで、結構です」「あれは、小さなときから、フワフワと落着きのない娘でしたが、なまじっか、はんぱな職業を持っているので、私どもへ寄りつかないので、困ります」「夏の終りごろ、鎌倉のお宅へ行っていらしたように、聞いていますが」「間もなく、東京へ帰りましたが、どこへモグリこんでいるものやら、いっこうに……」坂田は微笑をうかべながら、おだやかに、おしかえした...
久生十蘭 「あなたも私も」
...なまじっかな仲裁では...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...なまじっか偽(いつわり)を申し立てぬがいいぞ...
平林初之輔 「犠牲者」
...なまじっかこっちで主題を選ぼうなどとしないで...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...彼の人間生活の有機的な働き掛けの力を見えなかった欠点はなまじっか彼の科学性にあったわけです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...なまじっか亭主より少し余計に漢字を知っていたばかりに...
柳田国男 「故郷七十年」
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