...――谷博士は、まっかなにせ者、X号が化けていたことがわかった...
海野十三 「超人間X号」
...俗衆がそんなにせっせと追いもとめる流行をつくり出すのは贅沢で放蕩な人間である...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...「なにせあの時の北さんは...
太宰治 「帰去来」
...なにせ相手は柔道四段だそうだから...
太宰治 「正義と微笑」
...なにせ、やっかいな病気だ...
太宰治 「正義と微笑」
...なにせ、お母さんは寝たっきりの病人なのだから手数がかかる...
太宰治 「正義と微笑」
...なにせ生きて帰らぬ覚悟で母艦から飛び出したんだって...
太宰治 「律子と貞子」
...おれの顔がおわかりかなあ? なにせ五年ぶりだから...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...それともどんなにせまいか...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「とけない問題」
...なにせ事務所の誰もあなたを直に見たことがないのですから...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「株式仲買人」
...『どうも見つかりませんがね、どいつか、あれを飲んでしまいさえしなきゃ、たしか素晴らしいリキュールがあった筈じゃが、なにせ、そろいもそろって泥坊ばかりじゃでな! おや、成程、これじゃなかったかな?』チチコフが見ると、相手の手には埃で袋でもかぶせたようになった一本の玻璃(ガラス)壜が握られていた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...まったくの話でがすよ! なにせ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
... なにせ あいつらは かなりの 小声ですし ―― それに 黒い森に いるときでも ねごとを 言ってたりしますからね...
ベアトリクス・ポッター Beatrix Potter 大久保ゆう やく 「グロスターのふくやさん」
...なにせい、太守のお若さに乗じ、柳営の内にも、さまざまな人物がおるのでな」「…………」「和殿なども、やがては、貞氏どののお跡目を継いで、鎌倉勤番のお身となろうが、君側の人々、北条一族、さらには地方の守護、御家人輩が、かくも狭い御府内に顔つき合せて、寵におもねり、権を争うていることじゃ...
吉川英治 「私本太平記」
...「木(こ)ッ葉(ぱ)どもはどうでもよい、呂宋兵衛(るそんべえ)はどうした」「かくまで手をつくしながら、当(とう)の呂宋兵衛を取り逃がしたとあっては、若君に対しても面目(めんぼく)ない、者ども、余人(よじん)には目をくれず、呂宋兵衛を取りおさえろ」忍剣と龍太郎が、ほとんど狂気のように叱(しった)してまわったが、なにせよ、身を没(ぼっ)すばかりな深山笹(みやまざさ)、杉の若木、蔦葛(つたかずら)などが生(お)いしげっているので、うごきも自由ならずさがしだすのもよういでなかった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...なにせよ、荒仕事(あらしごと)と山には馴(な)れきった者ばかり、手に手に鷹(たか)のくちばしのように光る鉱石槌(かなづち)を持ち、木の根にひっかけ、崖(がけ)によじ、清水(しみず)と岩脈(がんみゃく)のかたちをさっして、それらしい所をさがし廻(まわ)っているうちに、ひとりが深い熊笹(くまざさ)の沢(さわ)の上で、「あった!間道(かんどう)が見つかった!」と、大声でさけんだ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...これは真っ赤なにせものです」「ば...
吉川英治 「新・水滸伝」
...なにせよ、三味、笛、太鼓の囃子(はやし)、鹿(か)の子や赤い布(きれ)や笠や手拭が渦巻く町を走っていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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