...――これは汝(そち)のお馴染(なじみ)の爺(じい)や……数間(かずま)の爺(じい)やじゃ……...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...まはし部屋に引けてから、女は茶を入れて置いて、寢床を取りながら、「これでいよ/\なじみになるの、ね」と云ひ、をととひの初會、ゆうべの返し、今夜からなじみ、つづけて來たのだといふことを嬉しさうに語る...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...『読売』の投書欄でお馴染(なじみ)の中坂乃至(ないし)飯台思案外史をこの五分刈の巨頭君に結びつけて考える事は出来なかった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...魔子は毎日遊びに来たから全家(うちじゅう)が馴染(なじみ)になり...
内田魯庵 「最後の大杉」
...なじみの調度(てうど)のなかにもう見えなくなるのかと思ふと...
大手拓次 「藍色の蟇」
...または馴染(なじみ)の喫茶店に差し上げてしまっていたのです...
太宰治 「兄たち」
...池をめぐって馴染(なじみ)の茶店にはいった...
太宰治 「乞食学生」
...そうしてなじみになったアルベールとポーラのために一種不安な緊張を感じさせられる...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...後ろのやや低い方のが五十嵐甲子雄――毎々お馴染(なじみ)の二人の成れの果て――果てというにはまだ間もありそうだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...我(わが)が姉(あね)さま三年(ねん)の馴染(なじみ)に銀行(ぎんこう)の川樣(かわさま)...
樋口一葉 「たけくらべ」
...おなじみの古調でハイネはしみじみとシュレジェンの織工の歌をぼくに告げた無慈悲な神々...
槇村浩 「シュレジェンの織工によせて」
...むかし馴染(なじみ)おわすれなされまじく候(そろ)...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...この公園は私たちの生活にどうもなじみふかいのよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...八百屋お七の幼馴染(をさななじみ)で...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
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山之口貘 「鮪に鰯」
...浅い馴染(なじみ)にも不拘(かかわらず)頼んでみた...
山本周五郎 「青べか日記」
...アトは丸山に行(い)て貴様の狃除(なじみ)をば喜ばしょうと思う居(と)る処(と)に...
夢野久作 「近世快人伝」
...母の死後、彼はひと頃、文学になじみ、和歌などしきりに詠(よ)み習っていた...
吉川英治 「黒田如水」
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