...結果と周圍とに無頓着に内面の聲に從ふなげやりの快さとを教へた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...けれども長い時間となげやりな家主の注意とが残りなくそれを蝕(むしば)んだ...
有島武郎 「星座」
...どんなに利(き)れる投槍(なげやり)も...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...・水わけば水に生きるもの・落葉ふかしも巌のすがた暮れるより降りだして街の雑音も・なげやりの萱の穂もあたゝかい雨・森かげかそけく枯れてゐる葉に雨がきてぬくとくはうてきて百足は殺された三月五日夜来の雨がはれてすが/\しくなつた...
種田山頭火 「其中日記」
...人の娘を預って監督せずに投遣(なげやり)にしてはおかれん...
田山花袋 「蒲団」
...お島の投遣(なげやり)なのを牾(もどか)しそうに言った...
徳田秋声 「あらくれ」
...身繕いに心なきなげやりの姿である...
夏目漱石 「三四郎」
...なげやりにいいました...
新美南吉 「和太郎さんと牛」
...あのなげやりな様が窺われた...
橋本五郎 「自殺を買う話」
...放心(なげやり)に見渡せば...
二葉亭四迷 「浮雲」
...* プルウストのなげやりな混雜した文體は私の簡潔な文體への好みを困らせる...
堀辰雄 「續プルウスト雜記」
...なげやりなしとやかさという姿勢で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...と客はなげやりな...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...彼の歩き方はなげやりで不揃いだが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...彼は己の行かねばならぬ道を、ややなげやりな、むらな歩調で、ぼんやり口笛を吹き吹き、首を横に曲げたなり、遠くを望みながら歩いて行った...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...なげやりな口をききながら...
水上滝太郎 「九月一日」
...なげやりに暮していると云うより...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...物事を投遣(なげやり)にして...
森鴎外 「雁」
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