...「つまり僕は心のどん底が臆病(チミッド)なんですよ」とつぶやく樣に云つたが...
有島武郎 「半日」
...不幸のどん底におちいるか...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...幾千万の労働者を窮乏のどん底に投込み...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...あらゆる色合と地質のぼろ――木綿と麻とのどん底の境遇...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...どん底というものであろうと思った...
太宰治 「東京八景」
...どうなるかなるようになってみろ! と捨鉢などん底に自然と腹が据っていた...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...そのどん底まで述べたが...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...絶望と荒廃と寂寥とのどん底につき当ると...
豊島与志雄 「蘇生」
...その頃の彼は生活的にも観念的にも行詰りのどん底にゐたが...
中村地平 「悪夢」
...私は胸のどん底から込みあげてくるところの...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...ガラスのように固い空気なんて突き破って行こう二人はどん底の唄をうたいながら気ぜわしい街ではじけるように笑いあいました...
林芙美子 「新版 放浪記」
...どん底に落ち込んだ時...
北條民雄 「道化芝居」
...ただどん底のせつぱつまつた生活ばかりが見えて批判の無意味さを知らねばならないのであつた...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...」ポオやボオドレエルの魂のどん底に彼の見たものはこの恐るべき冷酷な心である...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...十二階上の窓から朝になり小尺一十二階目からどん底見下ろされ十九樽日曜のチン屋で夫婦かけ向ひ夜刃郎連も連なり米久で無事秀耳十二階のガラス窓の一つ一つへさし当てられる朝日の光りの美しさを...
正岡容 「大正東京錦絵」
...限りない苦悩のどん底に投げ入れたのだと思うと...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「どん底」の作者について書いたかしら? 彼の感覚のうちでは群集と大衆というものとの間にあるいろいろのものが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...わが子の口数まで減らしている窮乏のどん底へ持って来て...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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