...どんぶりこッこ、すっこッこ、陸(おか)へ百里やら五十里やら、方角も何も分らねえ...
泉鏡花 「海異記」
...お話のまえに、一こと、おことわりして置きたいこと、ほかではございませぬ、ここには、私すべてを出し切って居ませんよ、という、これはまた、おそろしく陳腐の言葉、けれどもこれは作者の親切、正覚坊(しょうがくぼう)の甲羅(こうら)ほどの氷のかけら、どんぶりこ、どんぶりこ、のどかに海上ながれて来ると、老練の船長すかさずさっと進路をかえて、危い、危い、突き当ったら沈没、氷山の水中にかくれてある部分は、そうですねえ、あのまんじゅう笠くらいのものにしたところで、水の中の根は、河馬五匹の体積、充分にございます...
太宰治 「二十世紀旗手」
...あとからあとから どんぶりこっこ...
ロバアト・ブラウニング 楠山正雄訳 「魔法の笛」
...……どんぶりこ、どんぶりこ」と口拍子(くちびょうし)に合せて、小舟を左右に大きく揺(ゆ)りうごかし、舟はまるで風濤(ふうとう)に弄(もてあそ)ばれる一葉(よう)の枯れ葉に似ていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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