...北劍はどもりと醉ひとの爲めに呂律(ろれつ)がまはらない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...」明智が、にこにこしてたずねますと、警官は目をパチパチさせて、ひどく、どもりながら、へんなことを、言いだしました...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...どもりながらそんなことをいった...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...どもりがちにきいた...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...とお顔を真赤になさつてどもりどもりおつしやいましたが...
太宰治 「右大臣実朝」
...あなたから長いお手紙をいただき、ただ、こいつあいかんという気持で鞄(かばん)に、ペン、インク、原稿用紙、辞典、聖書などを詰め込んで、懐中には五十円、それでも二度ほど紙幣の枚数を調べてみて、ひとり首肯(うなず)き、あたふたと上野駅に駈け込んで、どもりながら、し、しぶかわと叫んで、切符を買い、汽車に乗り込んでから、なぜだか、にやりと笑いました...
太宰治 「風の便り」
...Yさんが震え声でどもりどもり...
田中英光 「野狐」
...どもり、急(せ)き込み、口ごもり、冷笑し、支離滅裂なことを言いたてて、論理の筋道をたどることもできず、みずから自分の考えを正しく知ることもできなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「いやな奴だな」「うん」青野と、私とは、時々こう云いはっていたが、彼等には、江戸っ子が多く、喋るのが巧みで、どもりの青野や、無口の私は、羨んでいるより外に仕方がなかった...
直木三十五 「死までを語る」
...それを逃がしちまってはいけません」「だッて……」と米友は少しどもりながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんな余計な事を云うんだ」と度盛(どもり)を透(すか)して見る...
夏目漱石 「虞美人草」
...どもりが疳癪(かんしゃく)を起したように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...久太郎は吃音(どもり)であった筈だがとひょっくり考えたり...
火野葦平 「糞尿譚」
...少しどもりながら...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...門者(かどもり)に秘書官相沢が室(へや)の番号を問いて...
森鴎外 「舞姫」
...吃(どもり)がその感情の閊(つか)えを...
吉川英治 「私本太平記」
...待っておくんなさい」と燕作はちぢみあがってどもりながら...
吉川英治 「神州天馬侠」
...独楽をかえせ」と、どもりながら、手をだしたり、引っこめたりした...
吉川英治 「神州天馬侠」
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