...どてらを着ていても暖かすぎはしない...
石川欣一 「山を思う」
...千太は天窓(あたま)から褞袍(どてら)被(かぶ)ってころげた達磨(だるま)よ...
泉鏡花 「海異記」
...どてらを着て、頭髪もむかしのように長くのびていた...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...どてらの上に羽織を羽織って...
太宰治 「心の王者」
...おい、こいつらを、よろしく頼むぜ、そんな気持で振り仰げば、寒空のなか、のつそり突つ立つてゐる富士山、そのときの富士はまるで、どてら姿に、ふところ手して傲然(がうぜん)とかまへてゐる大親分のやうにさへ見えたのであるが、私は、さう富士に頼んで、大いに安心し、気軽くなつて茶店の六歳の男の子と、ハチといふむく犬を連れ、その遊女の一団を見捨てて、峠のちかくのトンネルの方へ遊びに出掛けた...
太宰治 「富嶽百景」
...柳沢はあの小(ち)さい体格(からだ)に新調の荒い銘仙(めいせん)の茶と黒との伝法(でんぼう)な厚褞袍(あつどてら)を着て...
近松秋江 「うつり香」
...どてらを被(かぶ)って寝ていた力持のお勢でさえも...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼等(かれら)はさういふ夜(よ)に褞袍(どてら)を被(かぶ)つて他人(たにん)の裏戸口(うらどぐち)に立(た)たねば成(な)らぬ必要(ひつえう)な條件(でうけん)を一(ひと)つも有(も)つて居(ゐ)ない...
長塚節 「土」
...ナラエが筑波山の方から吹いてくるんだ彼はかく語つてどてらに包まつた儘ごろつと横になつた...
長塚節 「土浦の川口」
...スコッチの服にどてら...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...するとどてらの方でも自分を同程度の人間と見做(みな)したような語気で...
夏目漱石 「坑夫」
...そこでどてらは略(ほぼ)話が纏(まとま)ったものと呑(の)み込んで「じゃ...
夏目漱石 「坑夫」
...褞袍(どてら)へ袖を通して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...着物や褞袍(どてら)を何枚か卷いて――尖端(さき)の方だけで宜い...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どてらに着換えて...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...いったいどうなさるおつもりなんです?」石田氏は褞袍(どてら)の懐手を...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...和(やわ)らかもののどてらなぞを...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...それから褞袍(どてら)に着かえて...
夢野久作 「人の顔」
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