...轍(わだち)にかけられた蕗(ふき)の葉がどす黒く破れて泥にまみれたりしていた...
有島武郎 「親子」
...深くどす黒くガラス窓にうつつてゐる...
武田麟太郎 「現代詩」
...冬の日本海は、どす黒く、どたりどたりと野暮(やぼ)ったく身悶(みもだ)えしている...
太宰治 「母」
...真ん中頃に二カ所どす黒くコチコチに乾干(ひか)らびた...
橘外男 「蒲団」
...一旦(いったん)この手を見たあとではどす黒くさえ思われます...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...雲は、落陽(ゆうひ)で、上を真赤に、下を、どす黒く、不気味に、染めていた...
直木三十五 「南国太平記」
...そのうえには南部の鉄瓶がどす黒くのっている...
中勘助 「独り碁」
...どす黒くおどんだ大きい沼沢の縁に沿って...
中谷宇吉郎 「異魚」
...島を越して向こう側の突き当りがこんもりとどす黒く光っている...
夏目漱石 「三四郎」
...顔色がどす黒く沈んで...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...どす黒く腐っている...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...どす黒く腐敗した瓜に鬘(かつら)を被せるとこんな首になろうか...
北條民雄 「いのちの初夜」
...どす黒く脹れ上つて顔・手...
北條民雄 「続癩院記録」
...そのあと顔がどす黒く変わった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...童子は寒そうにちぢんだ姿をどす黒く門端に滲ませたが...
室生犀星 「後の日の童子」
...なにしろ、湖の上には氷がほとんどいちめんに張(は)りつめていて、それがどす黒く、しかも、でこぼこしていて、いたるところに裂(さ)け目や穴(あな)があるのですからね...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...新左衛門の顔はどす黒く変ったし...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...いつかどす黒く沈んでいました...
吉川英治 「江戸三国志」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??