...そういうどす黒い赤のシャツも用意していた...
江戸川乱歩 「影男」
...階段の踏面(ふみづら)にたまったどす黒い血の流れが...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...そして碧い眼はそのようなどす黒い顔の中でまったく際立っていた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...どす黒い唇を引きしめて...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...向うの村は大きなどす黒い汚点(しみ)のように見えている...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「乞食」
...そして寝ながら立ててゐる片足のズボンの膝のあたりにもどす黒い斑点の沁みてゐるのを見てとつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...どす黒い血潮を頭の中に映してみた...
豊島与志雄 「悪夢」
...どす黒い顔を揃(そろ)えて無言のまま...
夏目漱石 「坑夫」
...さきほどまで静まっていた空気のなかにどす黒い翳(かげ)りが差すと...
原民喜 「死のなかの風景」
...左手にはどす黒い溝渠(ほりわり)をへだてて...
久生十蘭 「金狼」
...白く肌理(きめ)の細(こまか)い金五郎の皮膚にくらべて、友田の身体は、鮫肌(さめはだ)で、どす黒い...
火野葦平 「花と龍」
...老醜といってよい五郎のどす黒い顔には...
火野葦平 「花と龍」
...ことに彼女が布団の上へだらりと出している二の腕のどす黒い注射のあとを見るとかわいそうで...
平林初之輔 「アパートの殺人」
...彼等は、厖大な都會の、どす黒い、不快な感じのする保護色をしてゐるのです...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「巴里の手紙」
...陰濕(じめ/″\)してどす黒い………其のどす黒い地べたに...
三島霜川 「平民の娘」
...刷毛のやうな尾のさきを舞うてゐるどす黒い冬越しの蠅が...
室生犀星 「星より來れる者」
...そして藤や蔓草が池の周圍からどす黒い水の中へ曲げた頭を浸してゐた...
横光利一 「悲しみの代價」
...どす黒い血の噴騰(ふんとう)に...
吉川英治 「源頼朝」
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