...すると、どこやら遠くで、非常警笛(けいてき)の鳴るのをきいた、と思った...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...「なんか変な音がするじゃないか」「変な音?」なるほどどこやらから...
海野十三 「人間灰」
...態度にもどこやら丁寧なところがあった...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...それでも何か腑(ふ)に落ちないような不安な影がその顔のどこやらに残っていました...
太宰治 「ヴィヨンの妻」
...終戦以来、三年経(た)って、どこやら、変った...
太宰治 「グッド・バイ」
...どこやらの百姓が一車二ルーブルと吹っかけたと憤慨しているのが聞えてくる...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「天才」
...どこやらで芸者をしていたと言っているが...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...どこやらで琴の音(ね)がする...
夏目漱石 「虞美人草」
...それは昔どこやらで旧俳優のした世話物を見た中に...
森鴎外 「百物語」
...廊下を軽く咳こみながらゆるゆると歩んでいくうしろ姿がどこやら影が薄い...
矢田津世子 「神楽坂」
...四五日まえに下総のどこやらへ追手に立った」と云うのである...
山本周五郎 「風流太平記」
...どこやら悪徳のほのめくような美しさなど...
山本周五郎 「山彦乙女」
...あの馬上凛々(りんりん)なお勇ましさのどこやらは」宮が過ぎると...
吉川英治 「私本太平記」
...「なあ昌仙(しょうせん)、そんなものじゃないか」「仰(おお)せのとおり、こうなるのも、頭領(かしら)のご武運のつよい証拠(しょうこ)でござる」そばにいて、相槌(あいづち)を打ちながら、頭をさげた武士の容形(なりかたち)、どこやら、見たようなと思うと、それもそのはず、人穴落城(ひとあならくじょう)のときに、法師野(ほうしの)までともに落ちてきて別れわかれになった軍師(ぐんし)、丹羽昌仙(にわしょうせん)だ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...ううむ――と野獣でも唸(うめ)いたような声がどこやらでした...
吉川英治 「新書太閤記」
...どこやら、もうろくしていらっしゃる」「いや、むかし、わが家の青侍に置いたことのある将門なので……」「うむ...
吉川英治 「平の将門」
...それにしても、たいそう遠出をしてきたものだな」「ちっと仕事が大きいのでネ」「たしかに見込みはついているのか」「お蔑(さげす)みだよ、お綱さんを」話してみると、ぞんざい口も、罪がなくって艶(なまめ)かしくって、どこやら、国貞(くにさだ)うつしという肌合(はだあい)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...どこやら春めいたものが...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
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