...どぎつい太陽の光をさえぎりつつ...
海野十三 「氷河期の怪人」
...いずれかのどぎつい色をもってするが...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...浅草の小屋のどぎつい芸風をちょっと偲(しの)ばせる...
高見順 「如何なる星の下に」
...悲しいくらゐどぎつい原色なのでありました...
太宰治 「國技館」
...色んなどぎつい芝居をして...
太宰治 「火の鳥」
...お遊さんという人は、写真を見ますとゆたかな頬(ほお)をしておりまして、童顔という方の円(まる)いかおだちでござりますが、父にいわせますと目鼻だちだけならこのくらいの美人は少くないけれども、おゆうさまの顔には何かこうぼうっと煙(けむ)っているようなものがある、(かお)の造作が、眼でも、鼻でも、口でも、うすものを一枚かぶったようにぼやけていて、どぎつい、はっきりした線がない、じいっとみているとこっちの眼のまえがもやもやと翳(かげ)って来るようでその人の身のまわりにだけ霞(かすみ)がたなびいているようにおもえる、むかしのものの本に「蘭(ろう)たけた」という言葉があるのはつまりこういう顔のことだ、おゆうさまのねうちはそこにあるのだというのでござりましてなるほどそう思ってみればそう見えるのでござります...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...あのどぎつい部分々々がばらばらに突出し一層強くなるやうに感じられる瞬間がある...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...どぎつい光と色に風の形が見えなくなってしまうし...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「感覚の殻」
...「ドカーン」というかな文字で現わされるような爆音の中に、もっと鋭い、どぎつい、「ガー」とか「ギャー」とかいったような、たとえばシャヴェルで敷居の面を引っかくようなそういう感じの音がまじっていた...
寺田寅彦 「小爆発二件」
...なにかこう、脂ぎったもの、不潔なもの、どぎついもの、むかむかするもの、そういうもの全体のようです...
豊島与志雄 「男ぎらい」
...どぎつい極彩色や年老いた森が飾り立てる御容姿(みすがた)の数々も貧弱に見え出してくるのであつた...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...どぎつい愛は心蕩(とろ)かす失神で私をひどく緊(し)めつけた...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...どぎついところのあるものでなく...
野村胡堂 「胡堂百話」
...どぎつい文面を読み直しても後悔しない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...どぎつい気持にならなきや...
三好十郎 「疵だらけのお秋(四幕)」
...どぎつい色を示します...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...今まで見なかった俗などぎつい色が現れるに至りました...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...どぎつい原色に染まつてきた...
吉川英治 「折々の記」
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