...彼は深々と息を吸いこみながら...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...「ちと息(やす)んでいらっしゃい...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...二人は夢から覚めたようにほっと息をついた...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...私はほつと息をついた...
中勘助 「銀の匙」
...柄杓を手桶に差し込んでホッと息をつく...
中里介山 「大菩薩峠」
...「――」ハツと息を呑んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一と息に呑み乾してしまったのです...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...顫える手で濁酒の茶碗をとりあげてグッとひと息にあおりつけ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...酌がれたのをひと息でのみほすと...
久生十蘭 「金狼」
...そうしてはあはあと息を切らしながら...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...そのうちにはすやすやと息を引きとつてしまふであらう...
牧野信一 「沼辺より」
...けれども富沢(とみざわ)はその夕暗(ゆうやみ)と沈黙(ちんもく)の奥(おく)で誰かがじっと息(いき)をこらして聴(き)き耳をたてているのを感(かん)じた...
宮沢賢治 「泉ある家」
...乾いた庭へ這入ると息づまりがしてならぬ...
室生犀星 「庭をつくる人」
...ほっと息をついて顔を見合せたとき...
山本周五郎 「寒橋」
...眼をつむり唇を噛(か)みしめながらじっと息をひそめていたが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...そんな易辞をみなひと息に飲み込んで頭を悪くしては...
横光利一 「馬車」
...ひと息ごとのあわれさのようなものだった...
横光利一 「旅愁」
...ほっと息をついて新助が...
吉川英治 「江戸三国志」
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