...囲炉裏のとろ火には味噌汁とお茶とがかけてある...
石川欣一 「可愛い山」
...風呂はとろとろ火ながら...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...今しこそ胸のとろ火のもも絡み靜かに解けめ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...名前通りに塩鮭の切身をとろ火で煮出した汁である...
薄田泣菫 「茶話」
...それを陶器皿(とうきざら)に入れてとろ火で煮(に)た...
アーネスト・トムソン・シートン 薄田斬雲訳 「動物物語 狼の王ロボ」
...とろ火にかけてある錫(すず)の徳利にさわってみては...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...とろ火で煮るために炉側の棚の上に載せた...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...そしてとろ火で湯を沸かしてある支那製の古い土瓶について説明して聞かした...
徳田秋声 「黴」
...向こうにとろとろ火が燃えている...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...とろ火でいつときだしを取るのですが...
林芙美子 「小さい花」
...あの閻魔顔全体がたちまちとろ火へかけて煮くたらかしたかのようにデレッと崩れて...
正岡容 「寄席」
...そして丁度とろ火にかけたお粥の様な愛着をお久美さんに持って居たのである...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...あとはとろ火で気長に煮あげる...
矢田津世子 「茶粥の記」
...二人はもうどうしていいか分らぬほどな情炎に包まれて伽羅油(きゃらゆ)のとろ火で煮られたかのような酔心地になりかけていた...
吉川英治 「剣難女難」
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