...やがて中綱湖がとろりとした水面を見せる...
石川欣一 「山を思う」
...ロケットは見る見るうちに空中でとろりとろりと溶けだした...
海野十三 「火星兵団」
...それは旨いとろりとする味であつた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...今までいた鯉はもういなくなって鉛色の水がとろりとなっていた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...油のようにとろりと静かな港の水...
田中英光 「オリンポスの果実」
...雲間漏る夕日の鈍い光を浮べて唯とろりとして居る...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...」とろりとした茶色の液体をなみなみと満したグラスを...
豊島与志雄 「乾杯」
...とろりとした湖面に影を落している...
豊島与志雄 「山上湖」
...水銀ようにとろりとした清い露のしずくを...
豊島与志雄 「蓮」
...とろりとしたクリームがかかっていて...
豊島与志雄 「落雷のあと」
...ヤルートとろりと白い脂を流したやうな朝凪の海の彼方...
中島敦 「環礁」
...盛り上り……とろりと膏気のありそうな肌をさらして...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...氣になるぢやないか」八五郎はとろりとしながらも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...水は澱(よど)んでとろりと重く...
久生十蘭 「地底獣国」
...シラキウス産のとろりとした一壜の古ウヰスキイを持参してゐたのである...
牧野信一 「三田に来て」
...私はきっときょうなど円い水晶の小さい盃で琥珀色をして重くとろりとしていたキュラソーをのむでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...とろりと溶け流れるような濡羽色の壺肌の前で...
横光利一 「旅愁」
......
若山牧水 「樹木とその葉」
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