...とりわけ一生懸命になって彼の態度物腰をまねようとするのである...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「駅馬車」
...とりわけ月の正体をみてみたいものだ...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「幸福のうわおいぐつ」
...とりわけ梨の実を選び...
薄田泣菫 「独楽園」
...十二月などのとりわけ忙しい月はまだまだ過労の様子が見られ...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...とりわけ卑俗なものとは思っていない...
太宰治 「困惑の弁」
...あんさんは御存じないかも知れませぬがあの姉さんは気だても器量もとりわけ人にかわいがられる生れつきで一家じゅうが大名の児を預かってでもいるようにみんな気をそろえてあの人ばかりをかばうようにしておりましたのにその姉さんがあんさんというものがありながらままならぬ掟(おきて)にしばられていると分ってみれば私がそれを横取りしては罰(ばち)があたるでござりましょう...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...とりわけて長男の竜一は深く顔を伏せてゐるだけであつた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...……とりわけ、苦しくてやりきれなかったのは――フェジューシカが糸のはしに肉の切れっぱしを結びつけて、カシタンカに食べさせ、カシタンカが十分のみこんだのを見ると、大声で笑いながら、胃の中から引っぱりだすことだった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...とりわけ気まぐれな女(かた)ですよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...とりわけ、テナルディエの上(かみ)さんにつかまりたくないから、よく言うことを聞いて、何にも言ってはいけませんよ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そこらあたりが、とりわけ、変にうそさびしい...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...とりわけ身振りや発音による表現のおかしさが評価されるのである...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...とりわけ他でもない...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...とりわけわたしはひと晩(ばん)ねむれなかった...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...おれはこの晩のうちに――彼はその特等席に居据ってしまったのである――彼にとりわけ特有らしい...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...とりわけ樺皮においてはこのことがいえる...
柳宗悦 「樺細工の道」
...だがとりわけ二つの驚くべき逆理をここに発見する...
柳宗悦 「工藝の道」
...とりわけ池田、高山、堀、堀尾などの面々へは、いんぎんに過ぎるほど、ていねいな会釈(えしゃく)を与え、犒(ねぎら)いの意を示した...
吉川英治 「新書太閤記」
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