...取不直(とりもなおさず)大王が...
巌谷小波 「こがね丸」
...わたしたちは三千夫君やルゾン号の方々に大いに感謝しなければならん」といって、博士は言葉をちょっととめ、「だが、ここに、海底超人族のすんでいることがたしかに証明されたということは、とりもなおさず、われわれ全人類が、いま噴火孔上(ふんかこうじょう)に立っていることをしめすので、実にたいへんなことになりました...
海野十三 「海底大陸」
...あなたがたはとりもなおさず...
海野十三 「金属人間」
...とりもなおさず一家の警戒係をつとめているわけだった...
海野十三 「空襲下の日本」
...とりもなおさずY――自身のことだと思っていただかなければなりません...
海野十三 「壊れたバリコン」
...――僕の訪ねてきたのは、とりもなおさず、あの高窓のうちに棲んでいる人物だったのである...
海野十三 「深夜の市長」
...とりもなおさず治外法権というものを内地にこしらえて...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...これはなお一段とつよく主張できる、われわれの家はすこぶる荷厄介なしろものでわれわれはしばしばそこに住んでいるというよりは閉じこめられているといった方が適切であり、またそれを避けたい、いやな隣人たちとは、とりもなおさず、あさましいわれわれ自身であるからだ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...この王道とはとりもなおさず神の道だ...
田中貢太郎 「春心」
...とりもなおさず我先覚の諸士志士である...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...とりもなおさず風土として理解されているわけだ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...これはとりもなおさず労働と忍耐じゃ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...この問題の具体的な、日常的な解決は、とりもなおさず、芸術における政治の優位性に対する正しい階級的理解なしにはあり得ないのである...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...ケーテ・コルヴィッツの画業が、ナチスのものでありえなかったということは、とりもなおさず、彼女の生涯と芸術が戦争に反対し、人民の窮乏に反対する世界のすべての人々の宝であることを証明したのであった...
宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
...或は知らず天真のところがとりもなおさず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...右のサンキョはとりもなおさず...
柳田國男 「地名の研究」
...玄関の障子が倒れ、ついで杉戸が外れ、襖が破れ廊下の障子が破れといったぐあいであって、とりもなおさず、泰三が進行して来る状態を証明するものであった...
山本周五郎 「思い違い物語」
...とりもなおさず自身...
吉川英治 「私本太平記」
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