...併(しか)し諸名家(しよめいか)が菊塢(きくう)を無祝儀(むしゆうぎ)で取巻(とりまき)同様(どうやう)にする間(あひだ)に...
饗庭篁村 「隅田の春」
...取巻(とりまき)大勢と...
泉鏡花 「浮舟」
...先生のとりまきで京都へいったんです...
板谷波山 「美術学校時代の岡倉先生」
...そのまわりには大小いろいろな軍艦がぐるっととりまき...
海野十三 「怪塔王」
...すると、だ、だ、だ、だと、階段をかけおりる靴音! 明智が、この家にしのびこむまえに、電話で連絡しておいた十数名の警官が、建物をとりまき、そのうちの数名が、はやくも一階に侵入して、呼びこの音に、かけおりてきたのです...
江戸川乱歩 「黄金豹」
...ぐるりとまはりをとりまきました...
鈴木三重吉 「湖水の鐘」
...膃肭臍賣「これはもと擇捉島(えとろふじま)の荒海(あるみ)に」と御國なまりの言葉濁(だみ)「追ひとりまきし膃肭臍(おつとせい)...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
......
高浜虚子 「五百句」
...みだれた半円形にとりまき...
壺井栄 「二十四の瞳」
...あんな取捲(とりまき)なんかつれて来ちや可けませんよ...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...馬車をとりまきました...
豊島与志雄 「金の目銀の目」
...もう見えまする」間の山節の来る間を芸妓や仲居が取持っているのでありますが――お客様が待っているほどに取巻(とりまき)どもは気が進みません...
中里介山 「大菩薩峠」
...周囲には塔、暗黒、影がとりまき、下には人間の想像圏を超えた危険があるのです...
西尾正 「墓場」
...芸妓のとりまきが一流と二流の相違は...
長谷川時雨 「お墓のすげかえ」
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逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...暗い帝国主義の歴史が生活の重量となってずっしりと彼女をとりまき...
宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
...重くるしくおれをとりまきつづけていた一つの夏の記憶...
山川方夫 「夏の葬列」
...事実は、もっと数多い女性が、彼をとりまき、麾下(きか)の占領軍将士の間にも、似たような事実はいくらもあったのではないかとおもう...
吉川英治 「随筆 新平家」
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