...それとも綱渡りでもするか...
江戸川乱歩 「黒手組」
...船頭(せんどう)さんのなげたとも綱(づな)は歓呼(かんこ)の声でたぐりよせられ...
壺井栄 「二十四の瞳」
...大きな石にとも綱(づな)をとるのをまって...
壺井栄 「二十四の瞳」
...もっとも綱の端っこは俺が行く前に板の下から抜いておいたんだが――」「何だって主人を殺す気になったんでしょう」「自分より年下の手代が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どてっぱらへ、ドーンと一発ぶち込むよ――ふ、ふ、一度惚れた女だなんぞと思って、甘ったれッこなしにしてさ――下りなよ、雪之丞――」雪之丞は、何と観念したか――手向いは、大けがの元と、胸をさすったのであろう――梯子(はしご)か、それとも綱か、それをつたわって、地下室へ下りて行った容子(ようす)――「大人(おとな)しくしているんだよ、御府内御朱引(ごしゅびき)の中とはちがうんだよ――じたばたすると、火をかけて遠慮なく、古寺ぐるみ、焼き殺すから――」と、おどして置いて、ガラガラピシャリと、下り口の戸を閉めると、ガチャガチャと金物のひびきをさせたのは、錠を下ろしたのであろう――「ふ、ふ、可愛さあまって、憎さが百倍ッてネ、これで、胸がせいせいした」と、捨鉢(すてばち)につぶやいたお初、門倉たちがいる方へ、出て行ったが、相変らずのキンキンした調子で、「さあ、これから、勝祝いに酒盛りと出かけますかね――皆さん、ごくろうさま――でも、あんまり、手もなくたおされてしまったので、見物の仕甲斐(しがい)がありませんでしたよ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...とも綱を切って去っていった...
山本周五郎 「やぶからし」
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