...小芳の心中、ともかくも、お蔦の頼み少ない風情は、お妙にも見て取られて、睫毛(まつげ)を幽(かすか)に振わしつつ、「お医者には懸っているの...
泉鏡花 「婦系図」
...しかし特別に霊能を有っている人ならともかくもですが...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「むかでの跫音」
...ともかくも出来得る限り『ホトトギス』のために御用を務める事に致すべく候...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...存ぜぬ昔ならばともかくも...
橘外男 「蒲団」
...ともかくも自分で働いて食わなければならないので...
寺田寅彦 「アインシュタイン」
...ともかくもかかる研究の対象としては火山の名が最も適当なものの一つであることは明らかであろう...
寺田寅彦 「火山の名について」
...先生は存外にこうしたわれわれの勝手な申しぶんをともかくも聞き取られた...
寺田寅彦 「田丸先生の追憶」
...九までともかくも不愉快なものである...
寺田寅彦 「電車と風呂」
...しかし、ともかくも、学校で教わったことの少なくも何十プロセントは綺麗に忘れてしまっていて、例えば自分等の子供に質問されて即座に明答を与えることが出来ない程度にまで意識の圏外に排泄してしまっているのは事実であるらしい...
寺田寅彦 「鉛をかじる虫」
...ともかくも背広服の...
豊島与志雄 「椎の木」
...ともかくも當時において斯ういふ新らしい學説を立てゝそれを言ひ出すといふことはよほど偉いことであります...
内藤湖南 「日本文化の獨立」
...ともかくも夜の明けぬうちに何とかせねば――幸い...
中里介山 「大菩薩峠」
...ともかくも、南条と言い、五十嵐と言い、それに自分と言い、金箔附きの破牢人であることに相違ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...ともかくも帰ってしまったから...
中里介山 「大菩薩峠」
...ともかくも順調な歩みをもって...
野呂栄太郎 「三田社会科学研究会報告」
...ともかくもこの家には桜が多く...
柳田國男 「信濃桜の話」
...ともかくも江戸期に入るまでの旧新開地は...
柳田國男 「水海道古称」
...ともかくも呶鳴った...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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