...とにかく、探検隊の一大危機が来たと考えるのが正しいと、マルモ隊長にいったほどだ...
海野十三 「三十年後の世界」
...「じゃあとにかく...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...とにかくあれは無事なんだ...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...それでも、やはり周さんが話したように、教室のうしろの方の古狸連中は、何でも無い事にどっと笑い崩れたりして騒いでいたが、それは私の観察したところでは、かの落第生たちは、藤野先生のこんな几帳面(きちょうめん)すぎると言っていいくらいの真剣な講義に圧迫を感じ、かえって虚勢を示し、われら古参の兵には、こんな講義など可笑(おか)しくてかなわぬ、新入生たちよ、そんなに緊張しなさんな、という示威運動を試みているだけのものの如く思われ、ひょっとしたら、あの連中は全部、藤野先生の解剖学で落第点をもらって、その腹いせに、あんな無意味な騒ぎ方をしているのではないかしらと疑いたくさえなった程で、とにかく、藤野先生の講義そのものは、決して私の予期していたような春風駘蕩(たいとう)たるものではなく、痛々しいくらいに、まじめで、むきなものであった...
太宰治 「惜別」
...とにかく私はそのすさまじい文章を或る詩の雑誌で読み...
太宰治 「男女同権」
...とにかく、今別のMさんのお家へ立寄り、船が出るやうだつたら、お酒をもらつてすぐ今別の港から船に乗らうといふ事にした...
太宰治 「津軽」
...とにかくその勘定に就いては自分に...
太宰治 「人間失格」
...とにかくあいそ笑いを浮べて...
太宰治 「美少女」
...とにかく食事の仕度をさせよう...
太宰治 「ろまん燈籠」
...ふんどし異変、山頭火ナンセンスの一つ、私としては飲み過ぎた祟りであり、田舎の巡査としては威張りたがる癖とでもいはう、とにかく、うるさい世の中だ、笑ひたくて笑へない出来事であつた...
種田山頭火 「道中記」
...平家の落武者だというのはとにかくとしても...
徳田秋声 「縮図」
...「とにかく、大きなりつぱな蝙蝠です...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...これは、私も、その内に、忘れてしまうかも知れぬから書いておくが、私の両親が、結婚したのか、私通したのか、とにかく、尋常小学へ入学した時の私の姓名は、安村宗一であった...
直木三十五 「死までを語る」
...とにかくその意気だけはほんとうに怖るべき意気だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...「とにかく、入って貰おうか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...とにかくよかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...「故人を忍んで琴を弾きましたことはとにかく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...とにかく彼はもうたまらなく淋しかつた...
横光利一 「悲しみの代價」
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