...女性としては珍らしい程の徹視力を自分の性格と結びつけてゐたのはこの作者だつた...
有島武郎 「水野仙子氏の作品について」
...これは阿Qとしては自分が趙太爺の父親になりすましているのだから当然のことであるが...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...だが、第十号としては、すこしぐらい人々から怪しまれることは、がまんするつもりだった...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...――気になるから聞かせて貰いたいと私としては珍しく強気に...
高見順 「如何なる星の下に」
...猪沢君の意見は? 軟弱外交の賛成者としては...
高見順 「いやな感じ」
...妙子としては、兎角雪子の縁談が持ち上る度に、何となく自分が邪魔者にされ、日蔭者扱いされる傾きがあるのに、井谷がそんな風に云ってくれたのは、何も蒔岡家はこの妹の存在を不名誉がるには当らない、それより妙子の特色を認めてやって、こう云う妹がありますと云って堂々と世間へ押し出すがよいではないか、と云うことを、暗に諷(ふう)してくれているようにも思えて、その心づくしに対しても、今度の東京行きに参加しなければ済まなく感じられたのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いったい国経はその頃としては大変長寿を保った人で...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...ぢつとしてはゐられない...
種田山頭火 「行乞記」
...逃(のが)れんとしてはまつわられ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...社会科学としては根本的な誤りから出発するもので...
戸坂潤 「辞典」
...時としては、シャールマーニュの庭で、酒保の窓下に幾時間も立ちつくして、韮(にら)六十二サンチームというので始まり葉巻き煙草五サンチームというので終わってるその薄ぎたない定価表を、白痴のようにながめてることもあった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...馬としては背は高し...
中勘助 「銀の匙」
...駒井としては充分の遠謀熟慮があってのことだろうから...
中里介山 「大菩薩峠」
...武蔵の産物としては騎西(きさい)や加須(かぞ)の鯉幟(こいのぼり)もその一つに挙げるべきでありましょう...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...地方色の鮮(あざやか)なものとしては...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...「わしは教えるだけ教え、そこもとは会得するだけ会得した」と、十左は続けた、「四年間よく辛抱し、よく修行されたが、わしとしては、もはやそこもとに教えることはない...
山本周五郎 「花も刀も」
...田舎者としては立派すぎる返事ですなあ...
夢野久作 「巡査辞職」
...大いに晴れがましく世間へ喧伝させたいという――門下の者としては当然な力瘤(ちからこぶ)も入れる気になって...
吉川英治 「宮本武蔵」
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