...その著書としては...
石原純 「平賀源内」
...殊に逸子の、苦しい無理を察しては、慰さめ顔に染々(しみじみ)と話しかけたりする時のやさしい、悄(しお)れた母親を見ると逸子は、谷がさうしてゐる為めに、母親としては、自分にも、また他人へも、しないでも済む気がねも多かつたりするだらうと思ふと、谷に対する自分の同情や、かばひ立てが、浅薄な自身に対する、また二人の愛に対するみえだけで、却つてそれが、他の者でも、また、自身をも苦しめる間違つた態度ではないかとさへ疑ぐり度くなるのだつた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...一と口にいえば二葉亭は家庭の主人公としては人情もあり思遣(おもいやり)も深かったが...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...このめずらしい『鉱物』を見おとしては一代の恥(はじ)ですよ...
海野十三 「金属人間」
...淡水中に産する団体動物の例としては苔虫(こけむし)の類が最も適当であろう...
丘浅次郎 「理想的団体生活」
...一通り合点(がてん)行かせる書物としては...
岡倉由三郎 「茶の本」
...彼等の話題としてはふさはしい...
種田山頭火 「行乞記」
...時としては此の二大勢力の聯合したる政府も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...次に土人の酋長(しうちやう)への贈物や交易品としては...
豊島与志雄 「アフリカのスタンレー」
...僕としては甚だ趣味に合はなかつたが...
萩原朔太郎 「田端に居た頃」
...階級としてはつきりと対立して来たのは...
平林初之輔 「政治的価値と芸術的価値」
...私個人としては別に言うべき事は無いけれど...
三好十郎 「恐怖の季節」
...質としては上々の品であつた...
柳宗悦 「和紙十年」
...個々の発行者としては縁故ある著者に偏するの嫌いあり...
柳田國男 「書物を愛する道」
...単にそのために発明せられたものとしては...
柳田国男 「年中行事覚書」
...停車場には時としては暖国から来た家族が住んでいる...
柳田国男 「雪国の春」
...もっと一般的な生活に即した料理としては...
山之口貘 「チャンプルー」
...それのみが芸術的でありまた芸術としては赦されない...
横光利一 「新感覚論」
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