...きれいな花がさいていたり、古い木が立っていたり、ところどころ、なだらかな土手(どて)には、ひつじやめうしが、あそんでいました...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「雪の女王」
...ところどころに部落があり...
梅崎春生 「幻化」
...白いエナメルの地はところどころはげていて...
海野十三 「太平洋魔城」
...古い表装でところどころ磨(す)りきれたのが気になつてはゐるが...
薄田泣菫 「茶話」
...ところどころでちよろ/\小流(こながれ)が出来てゐた...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...風雨に着色された木柵のところどころを...
谷譲次 「踊る地平線」
...ところどころの飾り窓とを気にしなければ...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...着物は口綿の這入(はい)っている比翼の袷(あわせ)で、金紗(きんしゃ)ちりめんと云(い)うのでしょうか、黒みがかった朱のような地色には、花を黄色く葉を緑に、点々と散らした総模様があり、帯には銀糸で縫いを施した二たすじ三すじの波がゆらめき、ところどころに、御座船(ござぶね)のような古風な船が浮かんでいます...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...雑木林の山肌のところどころが彼岸桜にいろどられて...
壺井栄 「大根の葉」
...それでもところどころに比較的鮮明な部分はある...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...鉄はところどころ赤く錆びている...
寺田寅彦 「夢」
...火山灰の地面には、ところどころ、思いもかけないところに、大雨の際の水の流れの跡があって、一間余りも深い溝を拵えています...
豊島与志雄 「食慾」
...ところどころ小屋掛をしたおでん屋汁粉屋燒鳥屋などが出てゐて...
永井荷風 「或夜」
...ところどころに皺(しわ)が寄ってるには驚ろいたね...
夏目漱石 「虞美人草」
...ところどころ、水の緑色の中に、ぼんやりした赤や、白がみとめられるのは、たしかにそれだ...
新美南吉 「嘘」
...ところどころに噴井戸のやうな石疊をきづいた井戸があり...
林芙美子 「屋久島紀行」
...昇降場の電灯は、なぜか、ほとんど全部消灯され、ところどころに、一つ二つ点っているのが、霧の中でぼんやりした光暈(ハロオ)をかいていた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...芝生のところどころに黒がねの弓伏せて植ゑおき...
森鴎外 「文づかひ」
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