...その後ろ姿を見ると葉子は胸に時ならぬときめきを覚えて...
有島武郎 「或る女」
...月映(つきばえ)あかり面はゆきすずろ心の胸のときめき...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...という浮気に似たときめきを覚えて...
太宰治 「座興に非ず」
...もう胸がときめきいたします...
太宰治 「燈籠」
...北停車場(ガル・ドュ・クウ)なり聖(サン)ラザアルなりから吐き出される瞬間の処女のような君のときめき...
谷譲次 「踊る地平線」
...ことに彼が胸のときめきをとどめかね...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...胸のときめきをとどめ得ない...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...ときめきに震へて...
牧野信一 「祝福された星の歌」
...未知の婦人の声を突然に聞いたやうな胸のときめきを覚ゆるのであつた...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...心がときめきもするのであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼女はこういう家族の待遇に心ときめきながら...
室生犀星 「津の国人」
...少なくとも今まで全く経験せぬ心のときめきを感じたことだけが推察せられる...
柳田国男 「こども風土記」
...云いようもなく深い心のときめきを感じました...
山本周五郎 「失蝶記」
...只青春のときめき...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...たとえば蛍の明滅(めいめつ)にも似たような心のときめきは呼びもどすまいと努(つと)めていたのである...
吉川英治 「黒田如水」
...ひとしおお胸のときめきを打った...
吉川英治 「私本太平記」
...ときめきの息を一つ吐(は)いたが――その絶体絶命(ぜったいぜつめい)のとっさ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...というのは、その翌朝斉信が訪ねて来たとき、「局はひきもやあけ給はむと、心ときめきして、わづらはしければ」、梅壺の東おもての半蔀(はじとみ)をあげて斉信に逢い、凝花舎(ぎょうかしゃ)の前の西の白梅、東の紅梅を背景にして立っている美しい衣の男の姿を、「まことに絵に書き、物語にめでたきことにいひたる、これにこそは」と感嘆するのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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