...これというのも、妻があんな下らぬ犬なぞを、居間に繋いで可愛がっているからこそ、こんな途方もない臆測を受けなければならんのだと、私は苦り切って考えていたが、こんな取り留めもないことを、もち込んで来ている無知な連中よりも、何にも知らずに犬を居間に飼って戯れている妻の方に、より大きな憤ろしさを覚えずにはいられなかったのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...それというのも全く自分の気まぐれによることで...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...あるいはこれを撲滅するというのも...
永井荷風 「妾宅」
...松茸の料理というのも...
中里介山 「大菩薩峠」
...日本の男も毛唐の女をおもちゃにしてみてえというのも人情だろう――おれは万事...
中里介山 「大菩薩峠」
...また羽田の航空気象観測所長が航空不能と断定したなどというのも誤りです」といっておられるとおりである...
中谷宇吉郎 「「もく星」号の謎」
...政次捕物帳というのもあるから...
野村胡堂 「胡堂百話」
...あの男が廊下へ出ていたというのも変ですね...
平林初之輔 「五階の窓」
...ちょうど間に合った、というのも、その時フォスタが台所から出てきたからだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...自分が人形になってしまうというのもあんまり面白くはないような感じがする...
正岡子規 「死後」
...百姓の家をお屋敷というのも何だか変だ...
三田村鳶魚 「中里介山の『大菩薩峠』」
...スープは白湯(さゆ)より長く温度を保つというのも密度のためだね...
村井弦斎 「食道楽」
...というのも一つ年が加わったせいかもしれない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...というのも、自分がしじゅう劇場にあって、遊戯や見世物や世にも面白い喜劇などを見ているかのように、思いこんでしまったのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...二度目の印象はひどく強烈なもので、それというのも、前後して隣家で惨劇が起ったからであった...
柳田国男 「故郷七十年」
...舌(した)の田舎言葉をベロというのも...
柳田国男 「こども風土記」
...頭を叩(たた)いて飲んでいたというのも...
柳田国男 「木綿以前の事」
...朝の茶漬というのも乙なものですよ」台所にいた召使たちはみな立竦(たちすく)んで...
山本周五郎 「思い違い物語」
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