...例の御説教だ集まれてんで...
有島武郎 「かんかん虫」
...家財道具がまだてんでととのってないことに改めて気づいた...
高見順 「いやな感じ」
...櫛田医師はてんでそんなことは問題にしないのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...てんでに文撰箱や原稿を握つて...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...どちらを向いても百姓一揆(ひゃくしょういっき)てんで...
中里介山 「大菩薩峠」
...先驅(さきがけ)の光(ひかり)が各自(てんで)の顏(かほ)を微明(ほのあか)るくして日(ひ)が地平線上(ちへいせんじやう)に其(そ)の輪郭(りんくわく)の一端(たん)を現(あら)はさうとする時間(じかん)を誤(あやま)らずに彼等(かれら)は揃(そろ)つて念佛(ねんぶつ)を唱(とな)へる筈(はず)なので...
長塚節 「土」
...そんな事を各自(てんで)に言って墨を摺(す)る...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...「お直さん! さつきは牧さんからのお電話でせう?」「‥‥‥‥」「オヤ! まア、何時お直さんは唖ンなつちやつたの?」「それとも、私なンかには今後ものを云はないカクゴでゞもおいでなンでございますか?」かうなると、女達も雀の唄どころではない、酔ひが程よくまはつて来たお粒を囲んで、てんでに、「まアいゝぢやないの」と止めるばかりであつた...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...てんで相手にされなかった...
火野葦平 「花と龍」
...てんでに歯を剥いてそれに喰(くら)ひついた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...それもてんでたゞダラシなく此うなのだからアイソがつきる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...深川は危ぶねえってんで...
本庄陸男 「白い壁」
...てんで問題にならない御難ばかりだった...
正岡容 「寄席」
...わたしたちはてんでんに...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...つまり今夜のお布施は一文か二文かってんでやす...
山本周五郎 「ゆうれい貸屋」
...南蛮鉄(なんばんてつ)でも射抜(いぬ)いてしまうってんで...
吉川英治 「神州天馬侠」
...戦争ではてんで効(き)き目(め)のない家康にたいしては...
吉川英治 「新書太閤記」
...てんで記憶には少ないのに...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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