...てんでんにもって...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「もみの木」
...てんでに椅子をはこんで腰をかけた...
海野十三 「爆薬の花籠」
...そこで、相談のうえ、くらの中へはいってみることにして、ひとりの刑事が、アパートの二階にかけもどり、鉄ごうしを上にあげるボタンを押し、課長と、ふたりの係長とが、用心のため、てんでに、ピストルをかまえて、ひらいた扉の中へ、はいっていきました...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...彼等はそれだけの勇気があったならてんでに逃げ出したことであろう...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...園子はてんでお辞儀をしようとせず...
太宰治 「故郷」
...お母さんは、その都度(つど)、どんなに痛い苦しい思いをするか、そんなものは、てんで、はねつけている自分だ...
太宰治 「女生徒」
...てんで穿(は)けやしないから...
太宰治 「惜別」
...櫛田医師はてんでそんなことは問題にしないのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...現在のお母さまをてんでばかにしてらっしゃる...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...伯母の家とはてんでおはなしにならない...
長谷川時雨 「流れた唾き」
...てんでに弁当を披(ひら)いているのであった...
原民喜 「壊滅の序曲」
...あっしの方はてんで持駒(もちごま)なし...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...てんで問題にしなかったというような噂も聞いた記憶があった...
久生十蘭 「川波」
...てんでそんなもののことは念頭にもおかず...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...……左うしたら誰を一番先に百合子が救け起すだらうか? といふことで、先程賭を約束して置いた彼等は、それぞれ凝つと息を殺して死んだまゝ、甘い囁きの夢に耽つてゐたのであるが、待つても待つても一向に音沙汰はなく、やがて弁当籠(バスケツト)の開かれる音を耳にすると、てんでんに、やあ/\! と頭を掻きながらむくむくと生き返つた...
牧野信一 「まぼろし」
...身体のそれに向かない人はてんでてんでの商売に精を出して...
正岡容 「圓太郎馬車」
...各自(てんで)に一人は東...
夢野久作 「白髪小僧」
...見送りの人影は、てんでに、口へ手をかざして、彼に餞別(せんべつ)の「ことば」を送った...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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