...』と二三度口の中で繰返したが、てんで、どんな花だか見当さえつかなかつた...
阿部徳蔵 「美術曲芸しん粉細工」
...てんで苦にならなくなる……というのはどうです...
海野十三 「発明小僧」
...てんでに懐中電灯をつけて...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...誰も私の申すことなど信じてくれずてんで相手にもならないのです...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...てんでなっちゃいない大きな低能児ね...
太宰治 「女の決闘」
...櫛田医師はてんでそんなことは問題にしないのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...てんで見ることも出来なかつた...
種田山頭火 「行乞記」
...やがて皆なはてんでに自分の車に乘つて...
田山花袋 「道綱の母」
...ちやんと知(し)つてんでがすから...
長塚節 「土」
...主義だとか、主張だとか、人生観だとか云う窮屈なものは、てんで、これっぱかりも口にしないんだから、有(ある)んだか、無(な)いんだか、殆んど要領を得ない...
夏目漱石 「それから」
...てんで考えている暇のない専有慾の満足と...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...そのかはりサラリーはてんでお話になりませんよ」O先生は気の毒げに彼を眺めてゐたが...
原民喜 「氷花」
...てんでお笑草映画...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あまり言葉がていねいで困るってんであの嫁さんを叩き出し...
正岡容 「寄席」
...てんでに息をつくやうに...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...このように諸説が限りなくてんでんばらばらであることは別にしても...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...悪魔に魂を売った独逸の魔法使いファウストだってんで...
夢野久作 「悪魔祈祷書」
...てんで意味をなさないではないか...
吉川英治 「新書太閤記」
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