...船客達もてんでにその室に入つたらしく...
田山録弥 「海をわたる」
...生徒たちはてんでに走りまわり...
壺井栄 「二十四の瞳」
...きっと何かの間違だろうッてんで向へ聴合せたんだ...
徳田秋声 「躯」
...てんで気を呑まれてしまったが...
中里介山 「大菩薩峠」
...――日比魚(ひびうお)と三字でひらめと読むか読まないかてんで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...てんで問題にはならないのだった...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...てんで目に入らないように...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...てんで話にもなにもならず...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...てんでそんなもののことは念頭にもおかず...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...四の「愚弟賢兄」はてんでつまらぬと定めてかゝったゞけに間違なくつまらない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あの印刷された文章ほどてんでばかげたものじゃないよ」「僕の目的が」とデュパンは語をつづけた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...てんで阿母さんの寝言なんか気にかけちやゐないけれど……余りばかばかしいもの...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...けれども各自(てんで)に一時間半(じかんはん)か其所(そこ)いら走(はし)り續(つゞ)けた時(とき)に...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...てんでに一きれずつ分けた...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...わたしたちはてんでんに...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...てんでに上着を脱いで遣らなくてはならない...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...時間などはてんで頭にないようで...
山本周五郎 「青べか物語」
...てんで、甥の将門など、眼のうちにもないように、横を向いて、酒をのんでいたが、「何しに来たのだ...
吉川英治 「平の将門」
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