...……芸もねえ事(こん)に可愛(めんこ)くもねえ面(つら)つんだすなてば」仁右衛門はまた笠井のてかてかした顔に唾をはきかけたい衝動にさいなまれたが...
有島武郎 「カインの末裔」
...なるほど建物は新築したばかりでてかてか光っている...
大杉栄 「獄中記」
...林伯や児玉伯や馬鈴薯(じやがいも)男爵などの頭と同じやうにてかてか光つてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...」店員は蜻蛉(とんぼ)のやうにてかてかした頭を下げた...
薄田泣菫 「茶話」
...どうもあの頬ぺたの瘤はてかてか光つて...
太宰治 「お伽草紙」
...それがために額は紫色に異様にてかてか光っている...
太宰治 「新釈諸国噺」
...あてかてかめへん」いいましてん...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...鼻のあたりがてかてか...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「株式仲買人」
...こんなときに見えた伯父の顔は寒い日でも、洗面器から上げたばかりのようにぐっしょりして、てかてかでした...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...彼女は顔をてかてかさして手に石鹸箱(しゃぼんばこ)を下げていた...
豊島与志雄 「少年の死」
...綺麗に剃刀をあてていつもてかてか光っている幅の広い脂切った古谷の顔が...
豊島与志雄 「生あらば」
...おめかしをし、洗い立て、石鹸(せっけん)をつけ、拭(ぬぐ)いをかけ、髯(ひげ)を剃(そ)り髪を梳(す)き、靴墨(くつずみ)をつけ、てかてかさし、みがき上げ、刷毛(はけ)をかけ、外部だけきれいにし、一点のほこりもつけず、小石のように光らし、用心深く、身ぎれいにしてるが、一方では情婦(いろおんな)をこしらえて、手鼻をかむ馬方でさえ眉を顰(しか)むるような、肥料溜(こえだめ)や塵溜(ちりだめ)を心の底に持っている...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ふだんはぼさぼさだった白髪はひどくきちんとてかてかな髪形になでつけている...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...そしててかてか光る顔ににきびを一ぱい吹き出さしていた...
牧逸馬 「舞馬」
...てかてか光る赤革(あかかわ)の長靴(ながぐつ)をはき...
宮沢賢治 「黄いろのトマト」
...てかてかした円卓(まるテーブル)の上にまっ白な皿(さら)があってその上に立派な二房の黒ぶだうが置いてありました...
宮沢賢治 「黒ぶだう」
...」山口は好人物の坊主のような円顔を急にてかてか勢(きお)い込ませると廊下へ出た...
横光利一 「上海」
...頬はてかてか赤く...
吉川英治 「平の将門」
便利!手書き漢字入力検索