...笠も合羽もいつの間(ま)にかしっとりと夜露(よつゆ)にしめっていた...
芥川龍之介 「伝吉の敵打ち」
...蜜柑(みかん)のつゆに染まりたる爪(つめ)を見つむる心もとなさ!手を打ちて眠気(ねむげ)の返事きくまでのそのもどかしさに似たるもどかしさ!やみがたき用を忘れ来(き)ぬ――途中にて口に入れたるゼムのためなりし...
石川啄木 「悲しき玩具」
...愛嬌(あいきょう)の露(つゆ)もしっとりと...
泉鏡花 「縁結び」
...あツたら老先(おひさき)の長(なが)い青年(せいねん)男女(なんによ)を堕落(だらく)せしむる事は露(つゆ)思(おも)はずして筆費(ふでづひ)え紙費(かみづひ)え...
三文字屋金平 「為文学者経」
...そのような椿事(ちんじ)がひきおこされているとはつゆ知らず...
海野十三 「火星兵団」
...何一つゆだんはできないのであった...
海野十三 「超人間X号」
......
田邊たつ子 「うもれ木」
...仙波さんに・こゝろしづかに小鳥きてなく香をたく楢の枯葉の鳴るのも人を待つゆふべは・明けはなれる山の線くつきりと送電塔十二月一日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...彼はつゆ草の其れに優(ま)した美しい碧色を知らぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...密輸入者(みつゆにゅうしゃ)か...
豊島与志雄 「街の少年」
...軈(やが)て梅雨(つゆ)が夥(おびたゞ)しく且(か)つ毒々(どく/\)しい其(そ)の栗(くり)の花(はな)の腐(くさ)るまではと降(ふ)り出(だ)したので其(そ)の女(をんな)の穢(きたな)げな窶(やつ)れた姿(すがた)は再(ふたゝ)び見(み)られなかつた...
長塚節 「土」
...眼に見えない透明な露(つゆ)がしとしと降りているらしくも思われた...
夏目漱石 「明暗」
...下手な雑俳を嗜(たしな)む露(つゆ)の家(や)正吉(しょうきち)という中老人...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...つゆは窓向きにクッションの上に坐つて...
林芙美子 「玄關の手帖」
...源(もと)は山路の苔のつゆ...
樋口一葉 「花ごもり」
...梅雨時(つゆどき)だからなあ」――神の助け...
吉川英治 「新書太閤記」
...今日あたりから梅雨明(つゆあ)けの空とも見える中天に...
吉川英治 「新書太閤記」
...露(つゆ)ほども思わなかったのである...
吉川英治 「増長天王」
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