...何一つゆだんはできないのであった...
海野十三 「超人間X号」
...この二三日梅雨(つゆ)があがって暑くなったので非常に客があると聞いた...
田山花袋 「田舎教師」
...露草(つゆくさ)の間(あいだ)を野川の如くに流れていた時分の事である...
永井荷風 「狐」
...赤坂区(あかさかく)氷川町(ひかわまち)吉岡つゆ……...
永井荷風 「ひかげの花」
...重吉はつゆ子の側(そば)に寄り...
永井荷風 「ひかげの花」
...だぶだぶの汁(つゆ)の中に小魚が三...
中島敦 「環礁」
...露(つゆ)の下(お)りる軒(のき)の外(そと)へ並(なら)べて置(お)いた...
夏目漱石 「それから」
...つゆは今年七十五歳である...
林芙美子 「玄關の手帖」
...つゆは、神田の方へ上つて行つたり、澁谷の方へ行つたりして、方々を迷ひながら、十二時頃、這ふやうにして、吉祥寺の奧の下連雀の家へ歸つて來た...
林芙美子 「玄關の手帖」
...これは東臺(とうだい)の五月雨(さみだれ)にながす血汐(ちしほ)の赤(あか)き心(こヽろ)を首尾(しゆび)よく顯(あら)はして露(つゆ)とや消(き)えし...
樋口一葉 「經つくゑ」
...汁(つゆ)を拵(こしら)えるに調合所の砂糖でも盗み出せば上出来...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...どじょうのおつゆをたべて大変面白くいろいろ――アンデルセンの自伝のことその他を話しました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...大樹の夜つゆが冷たく降った...
吉川英治 「大岡越前」
...早や鎌倉も空(から)っぽとはつゆ覚(さと)らず...
吉川英治 「私本太平記」
...梅雨(つゆ)を越えると急に暑くなって...
吉川英治 「親鸞」
...灰色の空からまるで小糠(こぬか)のように降り罩(こ)めている梅雨時(つゆどき)の夜明けでした...
蘭郁二郎 「穴」
...それに兩人ともツイ二三年前までは私の母が引取つてこの家で育てゝ居たので他の山家の娘連中同樣の賤しい風采はつゆほども無かつた...
若山牧水 「姉妹」
...同じ劇が他の方面から見てある美しさを持つゆえに...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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