...黄いろい褄黒蝶が一つとまつてゐる...
芥川龍之介 「軍艦金剛航海記」
...またいつとなく去りゆく人人(ひとびと)!友も妻もかなしと思ふらし――病(や)みても猶(なほ)...
石川啄木 「悲しき玩具」
...』『叔父さんは私共をぞつとさせますよ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...二階建(にかいだて)或(あるひ)は三階建(さんがいだて)等(とう)の最下層(さいかそう)が最(もつと)も危險(きけん)であることは...
今村明恒 「地震の話」
...十一時を打つといつも店をしまう...
大阪圭吉 「銀座幽霊」
...非現實的なものはもつとも價値あるものである...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...慷堂からつとに中国の話は聞いていたものの...
高見順 「いやな感じ」
...とつとと私の先に立つて歩く...
太宰治 「津軽」
...いつせいにそつと隣りのヴエランダを盜み見た...
太宰治 「道化の華」
...G――はちよつと面喰つた...
徳田秋聲 「彷徨へる」
...自分を吸い込んでゆく深淵を見まいとつとめた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...主人はいきなりいよつと呶鳴つて大勢の中へ飛び込んで揉まれながら小錢を拾つた...
長塚節 「濱の冬」
...姉(ねえ)さん一寸(ちよつと)こゝを縫(ぬ)つて下(くだ)さいと...
夏目漱石 「門」
...酢つぱい匂ひがむつと鼻をついた...
林芙美子 「あひびき」
...いまちよつと東京へ歸つてをりますが...
堀辰雄 「七つの手紙」
...勿論こんなことは些細な事柄で、もつともつと、ほんとうに悲しいこと、寂しいこと――あゝ、それを何から書きはじめたらよからうか――と思ふと、光子さんは堪らなく心がジク/\するばかりでした...
牧野信一 「蛍」
...院はつとめて善意で見ようとされながらも...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そのまま聲も立てない氣味の惡い物しづかさで、すつと、顏だけあげると兩手を石段についてからだを起し、殆どしなやか過ぎる身のこなしで立ち上つた...
室生犀星 「はるあはれ」
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