...葉子は倉地が潤沢につけ届けする金よりもこの金を使う事にむしろ心安さを覚えた...
有島武郎 「或る女」
...ところで、今晩、ひとつこの場で、おっかあに肌ぬぎが願いたい、といって時節柄、うっかり唐人をこんなところへ連れ込むところを、当時流行の浪士マネにでも見られようものなら、尊王攘夷覚えたか! 真向上段と来るから、今晩、その毛唐さんを御数寄屋(おすきや)さんかなにかの隠れ遊びに仕立てて、このところへ連れて参りますから、万事その辺ぬかりなく――その代り話がまとまったと来た日には、相手が異人館の大番頭だ、つけ届けは、毎年毎年船で来ようというものだ……ということを、金助がお倉婆あに相談して、お倉婆あをして、「ああいいとも、いいとも、いくらでも頼まれてあげるから、持っといで」と大呑みに呑込ませているところへ、ドタンバタンと凄まじい音がして、天上から大女が降って来たものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...ギャング上長へつけ届けがおくれたとかでゴタついたが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「そのつけ届けが足りなかったばかりに...
山本周五郎 「五瓣の椿」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??