...商人はそれを(コンコードの一商人がかつてそうしたように)商売をはじめるときに看板として戸口にかかげる――ついには彼の最もふるいお得意もそれが動物か植物か鉱物か確かなことはいえなくなる始末だが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...ついには北さんのお宅の二階に押し込められて...
太宰治 「帰去来」
...ついには逃げ出すより他はないといふ破目に陥るだらう...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...ついにはそれを認めるということにならないほどに世界の学界は盲目ではないから...
寺田寅彦 「時事雑感」
...ついには生活を陰鬱(いんうつ)にし害毒するほどの堅苦しい横柄な厳格さで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その家庭は天才から養われまた天才を養い、しだいに大きくなってゆき、ついには、天才を中心とする大きな集団的魂を――諸天体の和声(ハーモニー)にその親愛な合唱を交えながら空間を回転する、光り輝く一世界、精神上の一遊星、とも言うべきものを、こしらえ出すものである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ついにはすぐれた理想的な女だということになったのです……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ついにはそれがよくわからなくなっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ぞんざいないやしい言葉を使いながらついには伯爵殿と言われるようになろうというわけだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ついにはいい若い男が尋ねあぐねて途方に暮れ...
中里介山 「大菩薩峠」
...ついには perceptual の叙述に達するのであります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...花(はな)のき村(むら)の人々(ひとびと)は、村(むら)を盗人(ぬすびと)の難(なん)から救(すく)ってくれた、その子供(こども)を探(さが)して見(み)たのですが、けっきょくわからなくて、ついには、こういうことにきまりました、――それは、土橋(どばし)のたもとにむかしからある小(ちい)さい地蔵(じぞう)さんだろう...
新美南吉 「花のき村と盗人たち」
...ついには一冊一ペニイの安値で古本屋の見切り本の箱の中にならべられる運命となった...
オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 「ルバイヤート」
...ついには絶望的に自分の足までものろうような...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...ついにはお勢も成程と思ッたか...
二葉亭四迷 「浮雲」
...ついには御承知の如く...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...しかしついには、「今後かような取次ぎはならぬ」と云われたそうで、それからは誰も頼みをきいて呉れる者はなかった...
山本周五郎 「桑の木物語」
...ついにはこんな一庵をむすんで...
吉川英治 「私本太平記」
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