...三鴉(からす)と孔雀(くじゃく)とわたしたちに最も恐ろしい事実はわたしたちのついにわたしたちを超(こ)えられないということである...
芥川龍之介 「十本の針」
...一同はついに声をあげて泣いたという...
石川欣一 「針の木のいけにえ」
...ついに船影(せんえい)すらもみとめざりき...
海野十三 「海底大陸」
...しかし今度は遭難地点をついに聞きとることができました...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...二少年とぼうさんとは大きな口をあいて、あっけにとられて、それを見あげていましたが、黄金仮面はみるみる、遠ざかっていき、だんだん、そのすがたが小さくなり、ついには、一つの金色の星のようになって、そのままスーッと、夕やみの空に消えていってしまいました...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...ついにその男は起訴せられ...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...他の一匹は右に向うて穴をうがったために不幸にもついに一匹の蚯蚓にも出あわぬというごとき場合も往々(おうおう)あろう...
丘浅次郎 「動物の私有財産」
...――その男性的気質はついに放棄された...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...ついに自分の地位を失った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そんなに怖(こわ)い女じゃねえよ」米友はついに...
中里介山 「大菩薩峠」
...ついに自動車用の道路を切り開き...
中谷宇吉郎 「亡び行く国土」
...ついに太虚に入りて晴天と為る」...
南方熊楠 「十二支考」
...ついに小説などは書かないのではないだろうかと...
三好十郎 「恐怖の季節」
...ついに味わうことのなかった...
山本周五郎 「新潮記」
...達弥はついに承知した...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...文帝もついにはこれを黙視してはいられなくなった...
吉川英治 「私本太平記」
...ついに命を終ってしまった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ついに義朝をのぞく六人の息子たちをつれ...
吉川英治 「随筆 新平家」
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