...ついと停車場の待合所に入つた...
石川啄木 「鳥影」
...ついと立ち上りざま...
薄田泣菫 「独楽園」
...廣重のあさぎの空についついとのぼる花火をよしと思ひぬ田之助に誰やら似たり薄墨の山谷をいづる影繪舟かなこれはお縫さんの歌である...
竹久夢二 「砂がき」
...雀踊青い眉(まゆ)したたをやめが金(きん)の墨絵(すみゑ)の扇(あふぎ)にてそつとまねけばついとくるはらりとひらけばぱつととぶ...
竹久夢二 「どんたく」
...ついと私は立ち上って脱ぎ捨ててある彼女の着換えを二三枚...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...小屋のうしろの井戸側の蔭(かげ)へついと走って行きましたが...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...ついとむかふへかくれて杉のすきまからそつとこちらを窺つてるらしかつた...
中勘助 「銀の匙」
...ついと立って挨拶もなくて立ちかえったその畳ざわりは荒いものでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...奴が嘘をついとるんじゃなかろうかと大分責めて見たんですがな...
中島敦 「環礁」
...娘は向の裾をぱさ/\とあふつてついと蚊帳へはひる...
長塚節 「開業醫」
...「資本(もとで)の二兩(りやう)二分(ぶ)位(ぐれえ)でこんで餓鬼奴等(がきめら)までにや四五人(にん)も命(いのち)繋(つな)いで行(い)くのにや赤(あけ)え手拭(てねげ)でも被(かぶ)つてる樣(やう)な放心(うつかり)した料簡(れうけん)ぢや居(ゐ)らんねえかんな」彼(かれ)は復(ま)た爺(ぢい)さんの頭(あたま)へ手(て)を掛(か)けていつてついと行(い)つて畢(しま)つた...
長塚節 「土」
...追悼(ついとう)といったところで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ついとり逆上(のぼ)せ「三両...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...ところが なかでは ―― あなぐまトミーの はぐきが きついと 顔を そむけるのです...
ベアトリクス・ポッター Beatrix Potter 大久保ゆう やく 「きつねめさんのはなし」
...和人とアイヌはついと皮膚まで接近した...
本庄陸男 「石狩川」
...そのあついという字にどの字をあてはめたらいいのでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...夜明け前についとろとろしたと思うと...
山本周五郎 「七日七夜」
...ついと背を向けて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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