...」と雫(しずく)を切って、ついと出すと、他愛なさもあんまりな、目の色の変りよう、眦(まなじり)も屹(きっ)となったれば、女房は気を打たれ、黙然(だんまり)でただ目を(みは)る...
泉鏡花 「歌行燈」
...」とついと立って...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...トラックに追突(ついとつ)されてひっくりかえり...
海野十三 「金属人間」
...何とか言ひ乍らついと歩きかける...
高濱虚子 「俳諧師」
...ふたに百合(ゆり)の花の絵がついとる...
壺井栄 「二十四の瞳」
...通して三里にはきついと思えば間違いはありませんよ」お君は...
中里介山 「大菩薩峠」
...ことにこうまで露骨に出ながら、火鉢の傍に立膝の形で、股火にでもあたっているような、だらしない形――女というものはこうまで図々しくなれるものかと兵馬は憤然として、「よろしい、あなたがお引取りなさらなければ、拙者の方で、この場を立退きます」と言って、兵馬は刀を提げたまま、ついと立って、一方口から流れるように屏風の外へ、早くも障子をあけて廊下へ飛び出してしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...奴が嘘をついとるんぢやなからうかと大分責めて見たんですがな...
中島敦 「環礁」
...又(また)足(あし)を踏(ふ)みつけ/\のつそり歩(ある)いて戸口(とぐち)の閾(しきゐ)へ暫(しばら)く乘(の)つてずつと延(の)ばした首(くび)を少(すこ)し傾(かたむ)けて卯平(うへい)を見(み)てついと座敷(ざしき)へ立(た)つた...
長塚節 「土」
...追悼(ついとう)といったところで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ついと顔をそむけ...
本庄陸男 「石狩川」
...道は之の字巴の字に曲りたる電信の柱ばかりはついついと真直に上り行けばあの柱までと心ばかりは急げども足疲れ路傍の石に尻を掛け越(こ)し方(かた)を見下せば富士は大空にぶら下るが如くきのう過ぎにし山も村も皆竹杖のさきにかすかなり...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...ついと立って掛物の前に行って...
森鴎外 「里芋の芽と不動の目」
...」ついと這入つて...
森林太郎 「身上話」
...ついと詰部屋を出て行った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...石町(こくちょう)の辻をついと曲って行く...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...ついと進み出したのが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...道場の羽目板へ背をぶつけたまま、南保余一兵衛は真っ蒼になっていたが、やがて静かに坐って、「御一同、永々お世話に相成りました」それから正面の神壇へも礼儀をして、ついと、邸の外へ出て行った...
吉川英治 「宮本武蔵」
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