...着更えの着物を持たず金を用意するひまもなくついと出てしまった...
伊藤野枝 「出奔」
...海軍ってもっときついとこだから――」栄介は口のまわりのビールの泡を手で拭った...
梅崎春生 「狂い凧」
...何とか言ひ乍らついと歩きかける...
高濱虚子 「俳諧師」
...このお若いかたにはおそろしいものがついとるな...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...女はついと広巳の前へ出て広巳をかばって立った...
田中貢太郎 「春心」
...つかまえようとするとついと逃げる...
寺田寅彦 「沓掛より」
...近来筒井俊正(つついとしまさ)君が研究している一種の特殊な拡進現象にもまたリヒテンベルグ陽像などといくぶん似た部類に属するものがある...
寺田寅彦 「自然界の縞模様」
...せがれのアレクがまだ寝についとらんで...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「ライギット・パズル」
...お銀様がついと横を向くと...
中里介山 「大菩薩峠」
......
萩原朔太郎 「和讚類纂」
...氏の胸から背の方へついついと肺臓をぬけてゆくように思われたという...
橋本五郎 「地図にない街」
...不景気は底をついとるぞなと母は歎く...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ついと立つて縁端へ出た...
平出修 「計畫」
...いわんや生きてかついとおしい人々が...
柳田国男 「雪国の春」
...一軒の木賃宿(きちんやど)へついとかくれた...
吉川英治 「篝火の女」
...それでついとつぜん一しょにお邪魔してしまいましたが」「あら...
吉川英治 「新・水滸伝」
...『――大石内蔵助殿! おいでなされ!』ついと立つ影が白と浅黄(あさぎ)の中から見えた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...編笠の侍は、目の前を突ッ切る四ツ手駕をやり過ごして、ついと、燕のように、向う側へ駈け出した...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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