...黒いマントを、コウモリの羽のようにひるがえし、フサフサとした白ひげを風になびかせながら、両手をまっすぐ前につきだして、水の中をおよぐように、こちらへ、ちかづいてくるのです...
江戸川乱歩 「超人ニコラ」
...しかしどちらかといえばテーブル上で甘い物を喰うことの方が上手である...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...広巳はちらりと揮(ふ)りかえった...
田中貢太郎 「春心」
...こちらへ頂かしてください...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...どちらからとも分らなかったが...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...こちらで黙っておれば...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...僕の連れの横手にゐる男がどちらまでですと訊ねたが此の男は返事もしないで見てゐた新聞をパシヤリと畳み直すと...
中原中也 「三等車の中(スケッチ)」
...蒸気船は必要なものを満載してこちらに向き...
本庄陸男 「石狩川」
...そちらは新らしい客人ぢやな...
宮沢賢治 「かしはばやしの夜」
...そちらへ往復の時間だけいくらかつまっても...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...よくこちらでお祈りしているせいでしょう」などとその僧は言っていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...」この詞はどちらかと云へば...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...こちらから頼んでも貰うべき人だ...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...こちらの境遇が境遇なので...
山本周五郎 「つばくろ」
...「若様――こちらへ」と...
吉川英治 「江戸三国志」
...こちらに何の反撥も起させず理窟も無しにただ同化して居られることである...
吉川英治 「折々の記」
...門の守兵を四角八面に踏みちらし突き殺し...
吉川英治 「三国志」
...グズグズぬかしたら拝殿(はいでん)をけちらかして...
吉川英治 「神州天馬侠」
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