...ちょうどこの子のお誕生日だったので...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「しっかり者のすずの兵隊」
...村ではちょうど秋の収納が大方終って...
犬田卯 「荒蕪地」
...ちょうど食べかけていた林檎を...
海野十三 「地底戦車の怪人」
...近頃の文章で「誰?」と西洋のマークのついているものにちょうど相当しているのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...どういう路順(みちじゅん)でこちらへ――?』『こっちから印度へ行く路のちょうど逆に当りますね...
谷譲次 「踊る地平線」
...ちょうど晩飯の刻限なので...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...笹村はちょうどまた注射の後の血が溷濁(こんだく)したようになって...
徳田秋声 「黴」
...お雪ちゃんが井戸で水を汲んでいなさるところへ、疲れて来て、水を一ぱい下さいと言ったのが縁で、それから、あなたがお宅へ泊めておやりなさることになると、ホラその晩、あの強盗でございましょう、方丈様も、お前様も、残らず強盗に縛られておしまいなすったのを、ちょうど、泊り合わせなすったあの若いおさむらいさんが、すっかり退治をして下さったあの晩のこと、そうしてその強盗を追い散らし、皆さんを無事に助けて下さったけれど、あの泥棒共が、翌日火の見櫓の下で、狼に食い殺されていましたっけ……ほら、あの時の、あの若いおさむらいさんに違いないと思いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それがちょうど弁のような作用をして...
中谷宇吉郎 「大謀網」
...ちょうどウェルズの未来小説に出てくる〈科学人間〉にそっくりな感じだった...
久生十蘭 「だいこん」
...ちょうどモートンがジェンキンズと出たところだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...ちょうど牧師の感嘆句がその教え以上にしばしばその聴衆を動かすように...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あの夜からちょうど十二日経ち...
山本周五郎 「失蝶記」
...その錦絵の美しかったこと……そうしてその紙と絵の具の匂いの何ともいえずなつかしう御座いましたこと……ちょうど夏になり口で十畳のお座敷のお縁が一パイに明け放してありましたが散り拡がった錦絵の色と香(にお)いで...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...その承久からちょうど百十年目...
吉川英治 「私本太平記」
...おまけにふたりがそこへさしかかってきた時は、ちょうど、とっぷり日も暮れてしまった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...ちょうど、今春から、週刊誌上では、伊豆の頼朝と並んでその文覚を書きつつあるし、この陽春には、朝日新聞大阪本社の主催で、“新・平家物語展”をやる意向があるとも聞いているので、もし実現されるようだったら、自分の家蔵としている横物の文覚の手紙なども出品して、読者諸子の一覧を得ようかなどと思っている...
吉川英治 「随筆 新平家」
...ちょうど武蔵の眠っている小屋の下へ辿(たど)りついた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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