...わたくしは鋤(すき)と提燈(ちょうちん)と槌(つち)をもって家を出ました...
モオパッサン 秋田滋訳 「墓」
...赤い提灯(ちょうちん)や蝋燭(ろうそく)や教覚速善居士の額も大体昔の通りである...
芥川龍之介 「本所両国」
...また明治の初年には龕燈提灯(がんどうちょうちん)という...
淡島寒月 「亡び行く江戸趣味」
...その外に東北地方から来たらしい大きな提灯(ちょうちん)一個八銭とを買った...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...ちょうちんのようなものだったのです...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...赤い提灯(ちょうちん)の火が一つ動き出して...
谷崎潤一郎 「秘密」
...別に頼まれもせぬ自分がこの変わった映画の提燈(ちょうちん)をもって下手(へた)な踊りを踊るゆえんである...
寺田寅彦 「踊る線条」
...縞の合羽(かっぱ)に単衣(ひとえ)の裾を端折(はしょ)りし坂東又太郎(ばんどうまたたろう)を中(なか)にしてその門弟三木蔵七蔵(みきぞうしちぞう)らぶら提灯(ちょうちん)に路(みち)を照しつついづれも大きなる煙草入(たばこいれ)下げたる尻端折(しりはしょり)...
永井荷風 「江戸芸術論」
...「あ痛え……」見れば一つの提灯(ちょうちん)が...
中里介山 「大菩薩峠」
...宜道は提灯(ちょうちん)を点(つ)けてわずか一丁ばかりの路(みち)を照らした...
夏目漱石 「門」
...少々提灯(ちょうちん)と釣鐘と云う次第で...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...まるで小さいちょうちんが木にいっぱいともされたようなぐあいでした...
新美南吉 「木の祭り」
...提灯(ちょうちん)を用意して来い」「ヘエ――」離屋へ行って提灯を借りて来ると平次は八五郎とたった二人で植木屋の幸右衛門の家へそっと入って行ったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...まもなく二張(ふたはり)の提燈(ちょうちん)が門のうちにはいった...
森鴎外 「阿部一族」
...とうごく提灯(ちょうちん)の幾つかを見たので...
吉川英治 「江戸三国志」
...木の間隠れの彼方(かなた)からチラチラと低く振りかざして来る提灯(ちょうちん)の光が...
吉川英治 「剣難女難」
...祭礼(まつり)の提灯(ちょうちん)が燈(とも)っていなかった...
吉川英治 「鍋島甲斐守」
...武蔵のことばかり考えておいやらずに」前の畑に提燈(ちょうちん)の灯りが見えた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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