...葉子の心持ちと古藤の心持ちとはちぐはぐになっているのだ...
有島武郎 「或る女」
...妻の思ひとちぐはぐになつた彼の思ひはこれでとう/\全くの孤独に取り残された...
有島武郎 「An Incident」
...例の如くちぐはぐな恰好で伯爵の書斎へはいって来た...
海野十三 「すり替え怪画」
...このちぐはぐな凹凸は「近代的感覚」があってパリの大通りのような単調な眠さがない...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...それから変にちぐはぐな気持になって...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...僕は変にちぐはぐな印象を受けて...
豊島与志雄 「椎の木」
...その頬とのちぐはぐな印象に...
豊島与志雄 「秦の憂愁」
...こうちぐはぐな浅薄な印象きりで...
豊島与志雄 「椿の花の赤」
...遂に一同ちぐはぐの声で歌ひ出すのを聴くと...
二葉亭四迷 「露都雑記」
...私達のちぐはぐな対話を続けていた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...ちぐはぐな皿や茶碗(ちゃわん)でばかり遊んだ...
堀辰雄 「幼年時代」
...この春ごろから狂言の立て方が時好と妙にちぐはぐになって...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...何かちぐはぐな不安な感じが先きにくる...
矢田津世子 「女心拾遺」
...……座の空気はちぐはぐだった...
山本周五郎 「初蕾」
...生活ぶりとちぐはぐなので...
山本周五郎 「めおと蝶」
...気質の穏かな口数の寡(すくな)い良い人間だったよ」「どうも話と事実とがちぐはぐだな...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...ちぐはぐな事が多いものだ...
吉川英治 「江戸三国志」
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