...頬(ほお)には血液がちくちくと軽く針をさすように皮膚に近く突き進んで来るのが感ぜられた...
有島武郎 「或る女」
...……そう推察すると葉子は自分のあまりといえばあまりに残虐な心に胸の中がちくちくと刺されるようになった...
有島武郎 「或る女」
...動かないように、椅子に螺釘留(ねじくぎどめ)にしてある、金属のの上に、ちくちくと閃く、青い焔が見えて、の縁の所から細い筋の烟が立ち升(のぼ)って、肉の焦げる、なんとも言えない、恐ろしい臭が、広間一ぱいにひろがるようである...
アルチバシェッフ M. Artzibaschew 森鴎外訳 「罪人」
...ちくちく刺(さ)してくれるのが愛の戲(たはむれ)なら...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...直ぐと南京虫がちくちく螫(さ)しに来るので...
薄田泣菫 「茶話」
...阿母(おつか)さんはもう下(した)つ腹(ぱら)がちくちく疼(いた)み出して来る...
薄田泣菫 「茶話」
...彼の虚榮心もちくちく痛みだして來た...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...腕がちくちく痛み...
豊島与志雄 「復讐」
...肩や上膊のあたりをちくちく刺すように感ぜられて来た...
中谷宇吉郎 「雪後記」
...枕の下にある時計までがちくちく口をきく...
夏目漱石 「草枕」
...ちくちく疼(うず)くものがあった...
火野葦平 「花と龍」
...ちくちくと冷ややかな軽蔑が決してないことはない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...ちくちくするいばらの中からはい出して...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...最も些細な邪魔が最もちくちくする...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ニュームの角が揺れる度に顔面の皺や窪んだ骨に刺さってちくちくするだけではない...
横光利一 「機械」
...そういわれると私だってもう彼から痛いところを刺されているので彼も丁度いつも今の私のように私から絶えずちくちくやられたのであろうと同情しながら...
横光利一 「機械」
...にんじんは指にちくちくと痛みを感じた...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
...足の裏がちくちくと痛んでゐる...
若山牧水 「岬の端」
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