...この両駅の中間に「興安嶺隧道(こうあんれいトンネル)」と名付けられた長さ三キロメートルつまり三十町(ちょう)ちかくもある大トンネルがあって...
海野十三 「キド効果」
...上野駅ちかくになって...
海野十三 「空襲警報」
...彼はこの病院に一年ちかく入っていたのだ...
海野十三 「脳の中の麗人」
...夜、ひとり机に頬杖(ほおづえ)ついて、いろんなことを考えて、苦しく、不安になって、酒でも呑んでその気持を、ごまかしてしまいたくなることが、時々あって、そのときには、外へ出て、三鷹駅ちかくの、すしやに行き、大急ぎで酒を呑むのであるが、そんなときには、家に酒が在ると便利だと思わぬこともないが、どうも、家に酒を置くと気がかりで、そんなに呑みたくもないのに、ただ、台所から酒を追放したい気持から、がぶがぶ呑んで、呑みほしてしまうばかりで、常住、少量の酒を家に備えて、機に臨んで、ちょっと呑むという落ちつき澄ました芸は、できないのであるから、自然、All or Nothing の流儀で、ふだんは家の内に一滴の酒も置かず、呑みたい時は、外へ出て思うぞんぶんに呑む、という習慣が、ついてしまったのである...
太宰治 「酒ぎらい」
...もう十日ちかくなるのだけれども...
太宰治 「斜陽」
...もはや日没ちかく...
太宰治 「八十八夜」
...いりあいの鐘がちかくの寺からなりひびいて...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...あまりにちかくつく/\ぼうし八月十九日晴々として門外不出...
種田山頭火 「行乞記」
...続けられるか?・柿の梢のいつか芽ぶいて若葉して窓ちかく・ひつそりとおちついて蠅がいつぴき・焼かれる虫の音たてていさぎよくT子さんに・雑草にほふや愚痴なんどきかされては(与樹君)五月十六日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...十日ちかくもその宿に滞留してゐたらうか? と思はれるが...
牧野信一 「るい」
...長篇連載などを合せると十篇ちかくを発表している...
三好十郎 「恐怖の季節」
...山の上から麓(ふもと)ちかくまで殆んどまっすぐに掘られていた...
山本周五郎 「風流太平記」
...夕方ちかくに湯島の家へいった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ちかく浜松城へ献上(けんじょう)いたすことになっているのだ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...このちかくに身をふせているとおぼえたぞ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...噴出すべき力が――やむにやまれないこれだけの人間の意志が――地殻(ちかく)を破るように熱しきっている空気だった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...この二ヵ月ちかくは軽井沢で仕事をして来た...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...折ふし、時刻も丑満(うしみつ)をすぎて、五更にちかく、しかも見張らしい影は、対岸の川原にも、一かたまり残っているし、築土の下にも立っている...
吉川英治 「平の将門」
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