...麹町(こうじまち)の探偵事務所のちかくの...
江戸川乱歩 「鉄塔の怪人」
...ちょうど夜中(よなか)の十二時(じ)ちかくでしたから...
高山毅 「福沢諭吉」
...ことしもまた冬がちかくなりました...
竹久夢二 「玩具の汽缶車」
...もうそろそろ将軍家の和歌の御研鑽も十年ちかくなつてゐたのではないでせうか...
太宰治 「右大臣実朝」
...私が四十ちかくに成っても未だに無名の下手(へた)な作家だ...
太宰治 「風の便り」
...私のちかくに、校長の息子がゐた...
太宰治 「校長三代」
...僕たちは三時間ちかく調べられた...
太宰治 「正義と微笑」
...月にほえる犬の声いつまでも・朝の雲朝の水にうつり・水に朝月のかげもあつて・水音のやゝ寒い朝のながれくる・朝寒の小魚は岸ちかくあつまり仕事のをはりほつかり灯つた・秋風の水で洗ふ其中庵には次のやうな立札を建つべきか...
種田山頭火 「行乞記」
...すると、心臓(しんぞう)がまだうっているのが分かったので、ちかくの泉から、清水(しみず)をくんで来て、その顔にふっかけました...
ヴィルヌーヴ夫人 Madame de Villeneuve 楠山正雄訳 「ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣)」
...春去りて夏ちかくなりたる心地更に深く...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...夜中ちかくに車で送られて帰ってきた...
久生十蘭 「あなたも私も」
...料理場の天井裏から飯時ちかくなると眼を光らせて見守つてゐる歩兵の一隊があります...
牧野信一 「船の中の鼠」
...「やんごとないお方さまの、お身ちかく、この世でならびない、御栄華にお生きなされているあなたさまのお側で、たとえ、たったしばしの間でも、こうして御贔屓をおうけいたせるなぞとは、上方をはなれますとき、思いも及ばぬことでござりました」「何をいやるぞ――そなたは?」と、浪路は、恨(うら)みをふくめた目で見返して、「わたしが、上さまのお側にはべる身ゆえ、それが仕合せでもあるように、そなたは思うていやるそうな――」「それが、仕合せでのうて何が仕合せでござりましょう? この日ッ本国中の、女性という女性、それをうらやまぬものが、あろうはずがござりませぬ」雪之丞はべったりと、居くずれるようにして、横がおを見せるのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...二お昼(ひる)ちかくまで...
宮島資夫 「清造と沼」
...倍(ばい)ちかくにもなるのです...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...私はもう一年ちかくも住んでおり...
山本周五郎 「青べか物語」
...縁側ちかく膳を据えて...
山本周五郎 「竹柏記」
...ひたと主人の脇にちかく片膝を折る...
吉川英治 「私本太平記」
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