...だらしのないことであるが...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...母はだらしのないほど彼を尊敬してゐた...
太宰治 「猿面冠者」
...だらしのない人間はやはりだらしのない性質に応じて進退する道を考えるべきだ...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...これに比べると低地の草木にはどこかだらしのない倦怠の顔付が見えるようである...
寺田寅彦 「浅間山麓より」
...『だらしのない酔っ払いの面(つら)だ』と言っておる...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...全くだらしのない呼び声です...
中里介山 「大菩薩峠」
...然(しか)るにもかかわらず、ここへ響いて来る音調は、こうも生ぬるい、だらしのない、歯切れの悪い音調なので、むしろ、人をばかにしているようにしか聞き取れない...
中里介山 「大菩薩峠」
...とてつもなくだらしのない不道徳な野性が...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...何てだらしのない...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...あんたのだらしのない癖は直りやしない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...だらしのない恰好ではいって行くほかなかった...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...うんと皮肉な眼で此のだらしのない母と子を観察して呉れ...
牧野信一 「熱海へ」
...ズボンの無精髭を生やした五十すぎのだらしのない男が...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「自分のような規律に馴(な)れないだらしのない者は粗相をして叱りまわされるであろうから」と言って...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「だらしのない話だが...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「どうなさいますか」「だらしのない顔をするな...
山本周五郎 「花も刀も」
...というのはだらしのないはなしである...
山本周五郎 「ひとごろし」
...文藝家と國家關心文士といひ文壇といふものが、緊張した社會から、甚だ、だらしのない、特殊的な存在のやうに、惡い印象で見られてゐたことは事實である...
吉川英治 「折々の記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??