...天井の低い薄汚ない室の中の亂雜(だらしなさ)が一時に目に見える...
石川啄木 「病院の窓」
...半ばは同情から、半ばは惡感から來るのだが、女性といふものが子を持ち、所帶じみるに從つて、年の加減でもあらうが、自分から色けがなくなつて行くのを見ると、義雄はいつ、どこでそれを見るにしても、そのだらしなさ、意久地(いくぢ)なさ、きたなさを感じて、下らない樣な、馬鹿々々しい樣な、憎らしい樣な厭氣(いやき)を抱かざるを得ない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...下腹(したばら)のだらしなさ加減が...
薄田泣菫 「茶話」
...なんというだらしなさだ...
太宰治 「正義と微笑」
...自分の意気地なさ、だらしなさ、情けなさが身にしみ、自分の影法師(かげぼうし)まで、いやになって、なんにも取縋(とりすが)るものがないのです...
田中英光 「オリンポスの果実」
...服装のだらしなさにも関わらず...
富田常雄 「刺青」
...服装(みなり)のだらしなさ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...とめどもないだらしなさを曝(さら)す男...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼はだいたい亭主のだらしなさのためにこの宿に入るようになったので...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...自分の亭主のだらしなさや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...留守中の秦・吉岡のだらしなさを非難し...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...東宝映画のだらしなさ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...同情的な命題のだらしなさに対する絶縁を宣明した...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...それともだらしなさと弱さから遂行したか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...また衝動的なだらしなさを持っていました...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...そんな自分のだらしなさに肚(はら)が立って「ちぇっ」と舌打ちをした...
山本周五郎 「七日七夜」
...これに取って代った新東京人の風俗のだらしなさ加減を見よ...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...それにまだ一本の禮状さへ出してない自分のだらしなさが...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
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