...半ばは同情から、半ばは惡感から來るのだが、女性といふものが子を持ち、所帶じみるに從つて、年の加減でもあらうが、自分から色けがなくなつて行くのを見ると、義雄はいつ、どこでそれを見るにしても、そのだらしなさ、意久地(いくぢ)なさ、きたなさを感じて、下らない樣な、馬鹿々々しい樣な、憎らしい樣な厭氣(いやき)を抱かざるを得ない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...なんというだらしなさ! 頭がわるいから駄目なんだ...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...自分のだらしなさがはつきり解る...
種田山頭火 「其中日記」
...……何という私の弱さ、あさましさ、だらしなさ、……私は私を罵り鞭打ちつゝ泣いた...
種田山頭火 「其中日記」
...切手を飲みあるくだらしなさ...
種田山頭火 「其中日記」
...――自分で自分を持てあますとは何といふだらしなさだらう...
種田山頭火 「其中日記」
...服装(みなり)のだらしなさ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ある種の女優に見るような放浪的なだらしなさも大袈裟(おおげさ)なお洒落(しゃれ)も...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかしまただらしなさや家政の亂脈も...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...顏にはだらしなさと...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...とめどもないだらしなさを曝(さら)す男...
中里介山 「大菩薩峠」
...何一つ本當には自分のものにしてゐないだらしなさ...
中島敦 「かめれおん日記」
...自分の亭主のだらしなさや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...留守中の秦・吉岡のだらしなさを非難し...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...東宝映画のだらしなさ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...また衝動的なだらしなさを持っていました...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...そんな自分のだらしなさに肚(はら)が立って「ちぇっ」と舌打ちをした...
山本周五郎 「七日七夜」
...それにまだ一本の禮状さへ出してない自分のだらしなさが...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
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